「セＣＳファイナルＳ・第１戦、広島６－１巨人」（１７日、マツダスタジアム）

　勝利を確信づける一撃を、真っ赤に沸き立つ右翼席に突き刺した。丸が悠然とダイヤモンドを回る。貴重な追加点となるソロを含む２安打２打点。リーグ３連覇の立役者が、大事なＣＳ初戦できっちり存在感を示した。

　３点リードの七回１死。上原の外寄り低めのスライダーを捉えた。「久しぶりに良いスイングができました。風にもよく乗ってくれました」とライナーでスタンド前列に運ぶ技あり弾。ＣＳでは昨年のファイナルＳ第４戦以来２年連続３本目のアーチで、巨人の反撃ムードを断った。

　一発だけではない。初回は無死一、三塁から二ゴロで先制点。田中が四球、菊池がエンドランの中前打で拡大した好機に「いい局面を作ってくれた。気負うことなく、前に飛ばせばどうにかなるかな」と泥くさく仕事をした。四回は先頭で中前打を放ち、鈴木の２ランを誘発。紛れもなく攻撃の中心となった。

　連勝で広島に乗り込んできた巨人の勢いをそぐ快勝。「非常に効率のいい点の取り方というか、終始ウチのペースでできた。それぞれがしっかりと自分の役割をできた」。結果だけでなく、丸は内容への手応えを口にする。「あと２つ勝たないといけない。まずは明日、気持ちを切り替えて入れるかなと思います」。昨年は初戦勝利のあとに４連敗を喫したが、もう隙は見せない。