広島誠也、打率448 交流戦首位打者

 「交流戦、日本ハム2-4広島」(9日、札幌ドーム)

 150キロの速球をはじき返すと、鋭い打球は中前に抜けた。拙攻に泣いた前夜の敗戦を糧に、広島は序盤から打線が必死の攻撃。決勝打は鈴木のバットが導いた。2安打3打点。交流戦首位打者に躍り出た21歳が、4カードぶりの勝ち越しに貢献だ。

 「チャンスだったので、転がせば何とかなると思っていた。ストレートが速いので(球を)つぶしにいった」

 二回、新井が三塁内野安打で出塁。39歳が激走でチャンスメークすると、松山のゴロを田中賢が二塁悪送球。ミスに乗じて無死二、三塁の好機が巡る。ここで鈴木は追い込まれた後の4球目、外角低めの150キロに反応。打球が中前に抜ける間に二走松山も一気に生還。2点を先制した。

 2戦連続適時打、5戦連続安打を記録。さらに七回に左翼線二塁打で出塁すると、八回はチーム打撃に徹した。1死満塁から「内野ゴロでもいい」と、たたきつける打撃で球を転がす。遊ゴロで併殺崩れの間に、ダメ押しの4点目を奪った。

 8日の同戦では先制打を放ったが六回、無死満塁の好機で空振り三振。1日で雪辱を果たした。パ・リーグとの対戦に移って7試合で29打数13安打。打率・448で交流戦首位打者に浮上した。「意識はしてない。したら打てなくなってしまうので」と鈴木。未完成の21歳。ただ、覚醒の時は近づいている。

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