マエケン12勝 ハーラートップ並んだ
「広島5-0中日」(8日、マツダスタジアム)
広島・前田健太投手(27)が7回4安打無失点と好投し、リーグトップタイの12勝目を挙げた。次回は中4日で13日・阪神戦(甲子園)に先発予定。ゲーム差は首位阪神と5差、3位巨人とは3差。エースはフル回転で、チームを上昇気流に乗せてみせる。
両手でガッツポーズをつくり、感情を爆発させた。4-0の七回2死満塁。前田は代打和田に右前に抜けそうな打球を打たれた。しかしこれを菊池が飛びついてアウトにした。エースはベンチの前で、戻ってきた菊池を熱く抱きしめた。
「きょうはいい投球ができた。最後(七回)は球数が多くなってしまったが、あれが抜けていたら展開は変わっていた。無失点で終われてうれしい。あのプレーは最高に助かりました」
7回4安打無失点。自身4連勝でリーグトップタイ12勝目。防御率リーグ3位は変わらないが、2・08と数字を伸ばした。
直球は140キロ台中盤が大半。変化球を低めに集め、打たせて取った。七回に23球を要し、投球数が111球になったが、次回は中4日で13日・阪神戦(甲子園)に先発予定。次を見据えた“省エネ投球”だった。
三回の打席では、八木から左翼ポール際への特大ファウル。08年以来プロ2本目のアーチとはならず「悔しかった。久しぶりに打ちたいんです」と苦笑した。成熟した投球術と、野球少年のような無邪気さ。その共存がエースの魅力の一つだ。
チームにとっては10試合ぶりの本拠地での試合。前田はこれで、今季マツダスタジアムで7勝1敗になった。お立ち台では「ファンが駆けつけてくれた。ここで負けるわけにはいきません」と宣言し、恒例のイラスト入りTシャツを披露して鯉党を沸かせた。
次回の中4日先発は2年ぶりになる。13年は9月10日・ヤクルト戦(神宮)から同15日・巨人戦(マツダ)に投げ、ともに勝った。チームはヤクルト戦以降12勝4敗1分けで、16年ぶりのAクラスと躍進した。
昨年の後半戦は2勝5敗と低調だったが、今年は違う。首位阪神と5ゲーム差。昨年の11勝を上回った右腕は「ファンの方はあきらめず応援してくれている。プロである以上最後まであきらめない。これからの大事なときに勝っていきたい」と誓った。一昨年のようにエースがチームを上位に導く。