エルド2発!鯉打線10得点でG粉砕

 「巨人3-10広島」(18日、東京ド)

 広島が宿敵を圧倒した。ブラッド・エルドレッド内野手(33)が、来日初の15号満塁アーチを含む2発と大暴れ。今季4度目の2桁得点と打線が爆発した。東京ドームの巨人戦では12年ぶりの1試合4本塁打で、4年ぶりとなる3連戦勝ち越しを決めた。貯金は今季最多タイの12。球団史上初めてリーグ首位で臨む交流戦へ、弾みをつけた。

 高く舞い上がった打球は、鯉党の歓声に吸い寄せられるように左中間席に着弾した。六回1死満塁。エルドレッドが笠原の変化球を強振した。

 来日3年目で初めての満塁アーチ。「少し上がりすぎたがよく届いた。(満塁弾は)米国でも記憶にない。勝利につながってうれしいよ」。チームの流行に倣い、誇らしげに敬礼ポーズを行った。

 初回の凡退後、野村監督から「力が入りすぎている」と助言を受けた。三回にセドンをKOする14号2ランを、五回にも左前打を放った。5打数3安打6打点。3月29日・中日戦以来、今季2度目、通算5度目の1試合2本塁打。すぐに修正し、助言に応えた。

 初回の菊池、四回の木村の一発を合わせ、東京ドームではチーム12年ぶりの1試合4発。4年ぶりに同球場で3連戦を勝ち越した。首位として球団史上初めて交流戦に臨む指揮官は「この位置にいて注目されるのは、選手にとっていいモチベーション。これを1年間、雑にならずに続けたい」と誓った。

 快進撃のチームを引っ張るエルドレッド。15本塁打はリーグトップタイで、47打点は単独トップ。早くも昨季の自己最高13本塁打を超えた。ソロ11本、2ラン2本だった昨季と違い、今季は2ラン5本、3ラン3本、満塁1本と勝負強さが違う。

 指揮官のことを「ケニー」と呼び「通訳を介さずコミュニケーションを取ってくれるのはうれしい」と信頼を寄せる。キャンプから「打ち急がない。タメをつくる」をテーマに、今も打撃練習では中堅から右方向へ打つことを心がけている。

 調子を崩すたびに「自分から仕掛けすぎているよ。相手はあなたを怖がっているんですよ」と声をかけられ、それで自信を取り戻し、早期に復調してきた。過去96勝134敗10分けの“鬼門”交流戦でも、エルドレッドはやってくれるはずだ。

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