高校野球 サヨナラ勝ちの岩倉・佐藤「ツバの裏を見るだけで楽に」昨夏に天国へ旅立った母と臨む最後の夏 帽子に刻んだ言葉の意味
「高校野球東東京大会・3回戦、岩倉1-0足立学園」(13日、神宮球場)
岩倉が足立学園にサヨナラ勝ちした。五回途中から2番手でマウンドに上がった主将・佐藤海翔投手(3年)が好救援。最後はこの日4打数4安打の荘司トーマス外野手(1年)が右越えの適時二塁打で試合を決めた。
佐藤は五回1死二、三塁から登板。先頭に四球を与えると、ふと帽子のツバを見て息を吐いた。
「母と共に」
昨年、夏の大会前に天国へ旅立った母の思いを背負ってマウンドに立っている。命日は甲子園の開会式。胃がんだった。
「一緒に戦ってくれていると思うし、しんどい時でもツバの裏を見るだけでだいぶ楽になった」
自身の手で力強く刻んだ。その横に書いた「思いは生き続ける」は昨年新チームが始まった最初の大会の日に書いた言葉。
「魂は生き続けると思うので、甲子園だったりプロに行くだったりの想いは続ける」
母の生前は、佐藤が試合で打席に立ち三振や投手で点を相手に取られた際に「『何してんだ』みたいなことはよく言っていた」と振り返った。
「(今年の夏は)静かに見ていてほしいなと思います」。たくさんの思いを込めた帽子を大切にかぶり、白い歯を見せて優しく笑った。最後の夏をともに戦っていく。
