200勝以上して負け数の方が多い唯一の投手は?【プロ野球記録企画】

  デイリースポーツの記録担当がプロ野球のさまざまな記録をひもとく新企画「記録の向こう側」(随時掲載)がスタート。今回は200勝以上して負け数の方が多い唯一の投手を取り上げる。

  ◇  ◇

 Q…200勝以上挙げながら勝利数より敗北数の方が多い、唯一の投手は?

 A…梶本隆夫(阪急=現オリックス)

 梶本は、プロ野球史上9位の通算254勝を稼いだ名投手だ。ところが黒星も負けず劣らず積み重ねており、その数255。大投手の勲章とも言えるNPB200勝をクリアした24人中、唯一の「借金1」である。

 梶本は1954年に、岐阜・多治見工から阪急入りした。高卒1年目にして20勝という、衝撃のデビューを飾った。ところが同年に、宅和本司(南海)が26勝を挙げており、新人王を逃した。その後の野球人生を暗示する、なんとも不運な滑り出しだ。

 以降シーズン20勝以上を4度マークしたが、最多勝には手が届かず。56年には28勝という大活躍を見せたが、三浦方義(大映)29勝にわずかに及ばない。最優秀防御率、最高勝率のタイトルにも、なぜか無縁のまま。2度の最多奪三振(56年327、57年301)は、当時まだ表彰の対象外だった。

 現役最終年となった73年を、通算251勝255敗で迎えた。10月3日南海戦(西京極)で救援に立ち、九回に味方が3点差を覆してのサヨナラ勝ちでこの年3勝目。通算254勝としたが、これが生涯最後の登板となった。こうして「NPB最多勝利数の負け越し投手」が誕生したのだった。

 近年は200勝に到達する投手すら極めて珍しく、続く存在は当分生まれそうにもない。自身の珍記録について梶本は後年、ゴルフのスコアになぞらえてこう語った。

 「私が球界を離れ、もし商売を始めるとしたら、店の名前だけは決めてある。それは『ワン・オーバー』や」-。

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス