ＤｅＮＡが、マリナーズ傘下３Ａタコマを自由契約となった元阪神・藤浪晋太郎投手（３１）と入団合意したことが１５日、分かった。近日中に正式発表される見通し。藤浪にとって阪神に在籍した２０２２年以来、３年ぶりの日本球界復帰。ハマの藤浪が、大逆転Ｖへ巻き返しを狙うピースとなる。

　タテジマに袖を通し、海をも渡った男が、新天地の横浜で逆転Ｖへの救世主となる。この日、獲得調査を行ってきた藤浪と契約合意した。

　藤浪は２３年に阪神からポスティングシステムを利用してメジャー挑戦し、アスレチックスに入団。１年目は７勝を挙げたが、昨季以降はマイナー生活が続き、今季もメジャー昇格がないまま６月１７日に自由契約となっていた。マリナーズ傘下の３Ａタコマでは中継ぎで２１試合に登板し、２勝１敗、４ホールド、防御率５・７９。５月以降は課題の制球も安定し、直近８試合は無失点だった。

　武器の１６０キロ超の直球と多彩な変化球は健在だ。そんな右腕に、ＤｅＮＡは水面下で獲得調査を進めてきた。

　今季の先発陣はエース東、ジャクソン、ケイと安定感ある顔ぶれがそろうが、バウアーが６月末に再調整となるなどローテーションに一抹の不安を抱えている。リリーフ陣も、入江が右上腕の神経障害で離脱。先発も中継ぎもこなせる日米通算６４勝右腕に、巻き返しへの起爆剤として白羽の矢を立てた。

　阪神在籍時から制球力には課題を抱えていたが、ＤｅＮＡは最新機器を備えたデータ分析を得意としており、そうした側面からの再生もプランに掲げているとみられる。Ｖの使者として追いかけるのは、くしくも首位を走る古巣・阪神の背中。熱い期待が注がれている。

　◆藤浪　晋太郎（ふじなみ・しんたろう）１９９４年４月１２日生まれ、３１歳。大阪府出身。１９８センチ、１０１キロ。右投げ右打ち。投手。大阪桐蔭高から１２年度ドラフト１位で阪神入団。１３年４月１４日・ＤｅＮＡ戦（甲子園）でプロ初勝利を挙げた。１５年に最多奪三振のタイトルを獲得。１７年にはＷＢＣ日本代表に選出された。２２年オフにポスティングシステムでＭＬＢ挑戦を表明、アスレチックスと契約を結んだ。２３年７月にオリオールズへ移籍。２４年はメッツ、２５年はマリナーズと契約した。