DeNAドラ1度会 新人どころか12球団1号 イチローさん激励「無理して頑張りなさい」に一発回答

 3回、度会はプロ1号の同点3ランを放ち、雄たけびを上げる=横浜スタジアム(撮影・佐藤厚)
 3回、度会はプロ1号の同点3ランを放つ=横浜スタジアム(撮影・佐藤厚)
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 「DeNA4-3広島」(29日、横浜スタジアム)

 思わずガッツポーズを繰り出した。3点を追う三回1死一、二塁、DeNAのドラフト1位・度会隆輝外野手(21)=ENEOS=は、九里の投じたインハイのスライダーをフルスイング。打球はベイ党の待つ右翼席に飛び込んだ。値千金の同点弾。超満員のスタジアムから降り注ぐ大歓声を、全身で受け止めた。

 「チャンスの場面だったので『自分はやれる!』と信じて打席へ向かいました。夢に描いていた舞台で開幕戦でホームラン、ものすごいうれしいです」。記念すべき1打を大興奮で振り返った。プロ初安打が初本塁打。12球団1番乗りのアーチとなった。3点先制を許し、直前に東が送りバントを失敗。沈みかけた流れを、ひと振りで払拭してみせた。

 新人選手の開幕戦アーチは史上13人目。セ・リーグでは2014年・西浦(ヤクルト、現DeNA)以来10年ぶり6人目だ。球団では大洋時代の1960年・黒木基康以来、64年ぶりとなった。オープン戦で打率・434で首位打者に輝いた21歳の驚弾に、三浦監督は「隆輝の実力です」とうなずいた。

 常々、目標を尋ねられると「個人の数字より、チームの勝利に貢献できる選手、優勝に貢献できる選手になること」と口にする度会。それは親交あるイチロー氏からの教えだ。この日朝、そのイチロー氏からメールが届いた。「無理して頑張りなさい」。レジェンドらしいエールに「『無理しないで』とかじゃない。イチローさんの名言です。これから無理する場面もたくさんあると思うので、こらえて踏ん張って頑張ります!」。プロとして歩む覚悟を改めて胸に刻み、フィールドに立った。

 戻ってきたホームランボールは元ヤクルトの父・博文さんと母・祥子さんに贈るつもりだ。正真正銘の黄金ルーキー。やはりただ者ではない。

 ◆度会 隆輝(わたらい・りゅうき)2002年10月4日生まれ、21歳。千葉県出身。183センチ、83キロ。右投げ左打ち。外野手。横浜では1年夏と2年春の甲子園に出場。21年にENEOSに入社し、22年の都市対抗で優勝に貢献。橋戸賞、打撃賞、若獅子賞を獲得。父は元ヤクルト・度会博文氏。23年度ドラフトでDeNAから1位指名され入団。

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