「選抜高校野球・２回戦、青森山田６－５広陵」（２７日、甲子園）

　何度でもよみがえる。青森山田（青森）がタイブレークの末、２戦連続サヨナラ勝利で初の８強入りだ。

　この冬、チームでメンタルトレーニングに取り組んだという同校。七回まで広陵・高尾に無安打に封じられたが、ベンチには明るい言葉が飛び交った。「いけるぞ！！まだまだ！！」。２点を追う八回は、先頭の代打・蝦名（２年）が左中間へ二塁打を放ち突破口を開く。その後の１死満塁から木製バットを使う対馬（３年）が２点右前適時打を放ち同点に追いついた。

　直後に再び３点のリードを許すが、諦めない。九回１死満塁で打席には佐藤隆（２年）。「負ける気はしませんでした」。初球の浮いたスプリットを左中間最深部へ運び、同点の３点適時三塁打を記録。十回表は無失点で抑え、その裏の無死満塁で４番・原田（３年）がサヨナラ犠飛を放ち、劇的勝利を決めた。

　ベンチ入りメンバーの半数が系列の青森山田中で全国制覇を経験。最後まで粘り強く戦う野球は「“ゾンビ青森山田”と言われていました」と先発・桜田。広陵を破った昨春の山梨学院、昨夏の慶応がいずれも優勝と吉兆データも後押しする。倒れても立ち上がる東北王者が、頂点へ挑む。