日本ハム・上原「僕の人生で初めて」9回投げきり無失点の好投 無援護に泣くも「先に繋がってくる」

 「オリックス・バファローズ1-0北海道日本ハムファイターズ」(20日、京セラドーム大阪)

 日本ハムは延長十一回、4番手ロドリゲスが1死満塁のピンチを招き、中川圭に三遊間へのサヨナラ内野安打浴びて敗れた。両リーグ最多となる今季10回目のサヨナラ負け。先発・上原は人生最長の9回116球を投げきって無失点の熱投を披露したが、打線が援護できなかった。新庄監督は取材に応じず、両腕で「×」を作って引き揚げた。

 上原は「野球人生で完投がなかった。九回まで投げきったことは僕の人生で初めて」と明かす。プロ入り最長イニングは2020年の8回1/3だったが、実はアマ時代も含めて、九回まで投げきったことはなかった。延長に入ったため“完投”とはならなかったが、「何年かかったんですかね?」とプロ入りどころか人生最長の9イニングを投げきって苦笑いした。

 初回1死一、三塁のピンチを招いたが、森を左飛、頓宮を三ゴロに抑えた。「ボールがあんまり良くないだろうなという感覚。キッチリ投げようとし過ぎていた」と振り返り、思考を変えた。

 「いいボールを投げる必要ない。ストライクゾーンに大胆にいく」

 二回以降はリズムの良い投球を披露。多彩な変化球に、クイックや二段モーションも織り交ぜて、フォームにも緩急を付けた。3併殺も奪い、失点の芽を摘んだ。八回は1死から清宮の失策で走者を出したが、後続を切る。笑顔で清宮とタッチを交わした。

 「試合前のコンディションからしたら、なんでこんなに投げきれたのだろうっていう感じでしたが、大きな経験になりましたし、先に繋がってくるんじゃないかと思います」。チームの敗戦の中、つかんだ手応え。次は人生初の完投勝利を目指す。

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