ヤクルト・嶋基宏も最後の勇姿 見せた「野球の底力」 楽天・田中将大らも見届ける 村上らも涙

 9回、守備交代となり村上らナインとハグする嶋(撮影・高石航平)
 9回、交代を告げられ、ベンチに戻る途中で中村(27)と抱き合う嶋
 8回、空振り三振に倒れベンチに戻る嶋
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 「ヤクルト-DeNA」(3日、神宮球場)

 今季限りで現役引退を表明している、ヤクルトの嶋基宏捕手兼コーチ補佐が、八回に代打で途中出場。空振り三振に倒れたが、超満員となったスタンドからは大きな拍手と声援が送られ、チームメートの村上、長岡、内山壮らは涙。九回に最後の守備にもついた。楽天の田中将大ら元チームメートも球場に詰め掛けて、最後の勇姿を見届けた。

 2006年に、大学生・社会人ドラフト3位で楽天に入団。11年には東日本大震災が発生し、被災地支援のために行われた慈善試合では、「見せましょう、野球の底力を」とスピーチ。日本中の人の心に刻まれた。

 13年には正捕手として日本一に導き、「あの言葉がすごくプレッシャーになった時期もありました。13年の優勝で肩から荷が下りたのは事実です」と思いは“浄化”された。

 20年からはヤクルトに新加入し、昨季&今季とチームの連覇を支えた。記録よりも、記憶に残るプロ野球人生だ。

 振り返れば、感謝の連続だった。大学2年で捕手としての鍛錬をスタート。「そこが人生の大きな分岐点。さらに楽天に入団したことによって、野村監督に捕手のイロハを教えてもらった。どんなにミスをしても、我慢して使っていただいて。そこが僕の第2の野球人生の分岐点」とし、「そういう分岐点で、本当にいい人と巡り合えて、いい指導をしていただいて、それが今の僕につながっています」と思いは尽きない。

 引退会見で嶋は少し涙し、少し胸を張った。一言では言い表すことのできない16年間。杜の都・仙台に始まり、満員御礼となった本拠地・神宮で終わりを迎えた。「野村監督のように名将と言われる、指導者になっていきたい」。野村克也氏の薫陶を受けた名捕手が、現役生活に別れを告げる。

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