22歳ヤクルト・村上が新伝説 王もバースも超えたプロ野球新5打席連発「ご褒美かな」

 3回、5打席連続本塁打となる左中間へ2ランを放ち、ガッツポーズを決める村上(撮影・開出牧)
 花束を手にスタンドの祝福に応える村上
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 「ヤクルト5-0中日」(2日、神宮球場)

 球史を豪快に塗り替えた。ヤクルトの村上宗隆内野手(22)が、中日14回戦の初回と三回に38、39号本塁打を放ち、NPB新記録となる5打席連続本塁打の偉業を成し遂げた。王貞治、ランディ・バースといったホームランアーチストでも達成できなかった厚く、高い壁を、若き主砲が軽々と乗り越えた。

 新たな伝説を、村上は無邪気に「ご褒美」と表現した。主砲のバットで球史にまたも名を刻む。「7月は苦しくて…。今日はちょっとご褒美かな」。世界の王貞治ら、希代のスラッガーを超えた5打席連続で描いたアーチ。夢は正夢に、現実になった。

 期待を背負った第1打席は、初回に巡ってきた。山田の17号ソロで先制し、「いい流れで打席に入った」と村上がバットを強く握った。その4球目だ。カーブを鋭いスイングで捉えると、「今年一といってもいいくらい」とニヤリ。大きな放物線で、右翼席上段まで運ぶ38号ソロで、史上14人目の4打席連続本塁打を決めた。

 ただ、これだけでは終わらなかった。三回の第2打席、スタンドは異様な空気に包まれた。フルスイングで持ち込んだフルカウント。その6球目、外角のチェンジアップに体勢を崩されながら食らいついた。最後は右手一本で運び、打球は左中間席へ。5打席連発は王貞治やランディ・バースらの記録を更新する、NPB記録だ。

 今朝、目覚めた時に刻んだ“光景”が、目の前には広がっていた。試合後には「夢でホームランを打つのを見た。打てるかなと思って球場来たので、誰にも話さなかったです」といたずらそうに明かす。有言実行の4打席連続本塁打。夢をも超える5打席連続本塁打に、少し胸を張った。

 7月31日の甲子園からアーチをつなぎ、勝利に導いてきた。期待のかかった6打席目は、左翼への二塁打で“快音”ストップ。「4番として、チームの勝ちは大事にしている。今日は今日で喜びに浸って、また明日勝てるように頑張りたい」。打席に立つだけで球場全体をざわつかせる圧倒的なオーラ。これから先も偉業を打ち立て続けていくのだろう。4番の成長物語はまだ、序章にすぎない。

 ◆村上宗隆(むらかみ・むねたか)2000年2月2日生まれ、22歳。熊本県出身。188センチ、97キロ。右投げ左打ち。内野手。背番号55。今季推定年俸2億2000万円。九州学院から17年度ドラフト1位入団。プロ1年目の18年9月16日・広島戦(神宮)でプロ初出場初先発(6番・三塁)初打席初本塁打。最高出塁率(20年)、本塁打王(21年)、新人王(19年)、最優秀選手(21年)、ベストナイン(20、21年)。

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