近江・山田 夏こそ滋賀に優勝旗を 3度目の正直へ!センバツ準V鉄腕気迫の130球

 「高校野球滋賀大会・決勝、近江4-1立命館守山」(29日、マイネットスタジアム皇子山)

 滋賀大会の決勝は近江が初の甲子園を目指した立命館守山を4-1で下し、大会4連覇(中止の2020年を除く)を果たした。代替出場で準優勝した今年のセンバツの原動力となった、投打でプロ注目の山田陽翔投手(3年)が先発し、3安打1失点、12奪三振で完投。3季連続の甲子園で、滋賀県勢悲願の初優勝を目標に掲げた。

 有言実行。それが大黒柱の真骨頂だ。最後の打者を141キロの直球で空振り三振に斬った山田は、人さし指を天に突き上げた。3安打1失点、12奪三振。初回に記録したこの日最速145キロを終盤にも連発した。「最終回は三者凡退が目標だった」。最後は2者連続三振。気迫の130球を投げ抜いた。

 「センバツ準優勝の重圧があったので、優勝できてホッとしている」。エースで4番で主将。責任はすべて抱え込んだ。ただ「9回を投げきるという思いだった」と言う一方で、「調子はよくなかった」と振り返る。

 4四球を出し、中盤にややリズムが崩れる場面もあった。六回には先頭に右越え三塁打を許し、内野安打の間に1点を奪われた。しかも、4番打者としては無安打。そこで勇気をくれたのは「相棒」と呼ぶ捕手の大橋大翔(3年)だった。

 二回に先制の右前適時打、四回には左翼ポール際へのソロなど3安打2打点。8番打者の滞空時間の長いアーチに「意気込みを感じた」と山田。「大橋が打って乗ってきた。打った大橋のリードはノリノリで楽しい」。そんな2人を多賀章仁監督(62)は「バッテリーの理想」と言う。

 聖地では“球友”との再会も待っている。センバツは、コロナ禍で辞退した京都国際の代替出場。そのエースでプロ注目の森下瑠大投手(3年)と山田は中学時代に対戦経験があり、高校で親交を深めてきた。27日に一足先に優勝した森下とは「決めたぞ」「おめでとう」とメッセージを交わした。だからこそ、絶対に負けられなかった。

 過去、甲子園で2度準優勝の近江にとって優勝は悲願。センバツ決勝の大阪桐蔭戦は、山田が準決勝で左足首に死球を受けた影響もあり、1-18と大敗した。「自分たちにとって全国制覇はラストチャンス。優勝旗を滋賀に持って帰りたい」。3季連続で3度目の正直。夢は絶対にかなえてみせる。

 ◆山田 陽翔(やまだ・はると)2004年6月9日生まれ。滋賀県栗東市出身。174センチ、82キロ。右投げ右打ち、投手兼外野手。小1から治田西スポーツ少年団で野球を始め、栗東西中では大津瀬田ボーイズに所属。近江では1年夏からベンチ入りし、2年夏と3年春に甲子園出場。最速149キロ。50メートル走5秒8。遠投100メートル。

 ◆近江のセンバツ準優勝 京都国際の新型コロナウイルスによる出場辞退を受けて今春のセンバツに代替出場。エース山田の4試合連続完投もあって快進撃を見せ、滋賀県勢初の決勝進出を果たした。しかし、大阪桐蔭との決勝では山田は三回途中で降板し、1-18で大敗した。

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