ロッテV逸の分岐点…M点灯目前オリ戦3連敗 先発陣に大誤算

 担当記者が自軍の今季を総括する企画「21年あの瞬間」第6回。141試合目で、70年以来となる1シーズン制優勝を逃した今季の敗因を分析する。分岐点は、9月28日からZOZOマリンスタジアムで行われた、2位・オリックスとの直接対決3連戦3連敗。リリーフ陣が安定していたチームにあって、先発陣のもろさが3連敗につながり、結果的に2位に終わる結果となった。

  ◇  ◇

 3ゲーム差でオリックスを迎えた大一番を前に、ファンのボルテージは最高潮だったが…。1勝でもすれば、優勝マジックが点灯する3連戦で、まさかの3連敗。3戦目は、2点リードの九回2死一、三塁から守護神・益田が逆転3ランを被弾。一気に並ばれて最終的に2位に。ペナントの行方を左右した、大きな分岐点となった。

 141試合目で70年以来の1シーズン制優勝がついえた。井口監督はオリックスとの差を問われ「投手陣は山本を筆頭に先発で貯金ができていますよね。うちの大きな貯金は小島(10勝4敗)だけ。先発陣を整備していかないと」と分析した。

 リリーフ陣は安定を誇った。6月に加わった国吉が七回を、5年目の飛躍を見せた佐々木千が八回を任された。唐川や田中も存在を示し、抑えの益田も力を発揮。リリーフ陣の通算防御率は3・24と、接戦で強みを発揮できたが、対照的だったのは先発陣だった。

 先発勝利数の45勝はリーグ4位で、1位のオリックスと比べて10勝の差があった。先発の防御率を見ても、3・93はリーグ5位の数字。開幕投手の二木は5勝7敗、防御率4・38。ローテの柱として期待された美馬は6勝7敗、防御率4・92と誤算が響いた。

 分岐点となったオリックス3連戦を振り返っても、初戦は石川、2戦目が美馬と両先発が打たれて逆転負け。3戦目は益田の救援失敗による敗戦だったが、今季は67試合に投げ球団新の38セーブをマーク。勝利を拾った試合も多くあり、右腕を責めるのは酷だろう。

 マリーンズでは中継ぎに3連投をさせないという“おきて”があり、益田は8月以降だけで5度も禁じ手を破って3連投している。優勝したオリックスで6完投を記録した山本や、宮城のように、1年を通して柱になった先発の不在がリリーフ陣の登板過多につながったといえる。

 ただ、来季は先発陣のコマはそろいそうだ。後半戦3勝を挙げた佐々木朗に、7月以降に先発に転向して4勝を挙げた河村もいる。19年に8勝を挙げた種市は、右肘トミー・ジョン手術から復帰の見通しだ。

 さらに8月に途中入団のロメロの残留も決定。6月に右肘クリーニング手術をした石川も来季は万全で投げられる。先発陣が勝利を積み重ねれば、52年ぶりの1シーズン制リーグVはグッと近づく。(デイリースポーツロッテ担当・水足丈夫)

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