神様!オリックス・ジョーンズ様!九回代打V弾 逆転日本一へ、いざ神戸へ
「日本シリーズ・第5戦、ヤクルト5-6オリックス」(25日、東京ドーム)
第5戦が行われ、オリックスは九回に代打で登場したアダム・ジョーンズ外野手(36)が、左翼席に勝ち越しのソロ弾を放ち連敗を「3」で止めた。八回に同点に追い付かれた中で、神戸での逆転日本一に向けて夢をつないだ劇的なアーチとなった。対戦成績はヤクルトの3勝2敗となり、27日の第6戦はほっともっとフィールド神戸で行われる。
ジョーンズは打った瞬間、歩き出した。チームを神戸へ連れ帰る打球は、大歓声をたっぷり楽しむかのようにゆったりと左翼スタンドに着弾した。
同点に追いつかれた直後の九回先頭から、代打で登場。相手守護神マクガフの、2ボールから甘く来た147キロを完ぺきに捉え決勝弾にした。シーズンの代打打率・429の切り札。シーズンでも打っていない代打本塁打をこの土壇場で打てるのが、本物のメジャーリーガーだ。
試合後の第一声は「めっちゃシンドイ」。日本語で笑わせた。
「厳しい展開になった中であのホームランはすごくいいホームランになったと思う。この3試合はボール球に手を出していた。いいボールをしっかり打つことを心掛けた」
1勝3敗で迎えた一戦。負ければ後がない。“神戸に帰ろう”がチームの合言葉だった。その思いを一振りに込めた。
「当然、絶対に終わらせない気持ちはあった。自分のようなベテランにとってひょっとしたらこれが最後のゲームになるかもしれない。とにかく勝ってもう1試合と思っていた」
36歳。2017年のWBCで米国を世界一に導いたスーパースターも、引退の二文字が脳裏をよぎる年齢になった。全盛期のプレーはできなくても、若いチームに経験を伝えることはできる。
「ワタシ、ヤキュウヘタクソネ」
たくさん覚えた日本語でコミュニケーションを取る。イニング間には外野手のキャッチボール相手を務める。チームにとって、なくてはならない存在になった。
第6戦からは、ほっともっと神戸に戻る。25年前に日本一を決めた場所だ。
「土曜日の試合はとても大事。神戸のファンの前でリーグナンバー1の山本が投げる。われわれオフェンス陣も山本と一緒に試合を勝っていきたい」
今季何度も見せてきた逆転劇を、この大舞台でもやってのけた。日本シリーズ史上、王手をかけられてからの3連勝はミラクルかもしれない。だが、このチームならやってのける予感がする。神戸で奇跡を起こす。