オリックス・山本 10K完封仁王立ち 中嶋監督「もう山本、山本、山本ですね」
「パCSファイナルS・第1戦、オリックス1-0ロッテ」(10日、京セラドーム大阪)
リーグ1位のオリックスはファーストSを勝ち上がった2位のロッテに先勝し、アドバンテージを含めて2勝とした。山本由伸投手(23)は圧巻の投球を披露し、散発4安打10奪三振の無四球完封勝利。初回にT-岡田外野手(33)の適時打で挙げた1点を守り切った。
負けない男は大舞台でも健在だった。山本がわずか4安打で2006年の西武・松坂など過去2人しかいないCSでの1-0完封勝利へ導いた。
初回から今季の最速タイ157キロを記録するなど気合十分。先頭の荻野に安打を許すが、中村奨を149キロフォークで空振り、レアードにはカーブで見逃し三振など多彩な球種でねじ伏せていった。
二、三、四回と安打を打たれるが得点は許さない。フォークがイマイチとみるや、カーブで相手の狙いを外し、六回まで毎回の、終わってみればCS史上15度目の2桁奪三振。京セラドームに集まった今季最多の1万7915人を酔わせた。
シーズンと合わせて27試合目の先発は未知の領域だ。今季を前に「先発3年目。1年間、余力を残して終われるよう頑張りたい」と目標を掲げた。過去2年はいずれも脇腹を痛めて途中離脱。肉に偏りがちだった食事を見直し、1年間投げきるためにオフの間もトレーニングを欠かさなかった。その成果が5月からのシーズン15連勝、この日の快投へとつながった。
「とにかく1イニング1イニング、一人一人をいつも心掛けている。きょうも同じです。1試合投げきって中継ぎを助けようなんてことはまったく思っていません(笑)」
粋なジョークもエースの風格が漂う。
中嶋監督は開口一番「もう山本、山本、山本ですね」と絶賛した。
アドバンテージと合わせて2勝目。山本は「きょうの1勝はデカイですね」と笑顔を見せた。誰もがそう思える勝利となった。