ヤクルト、10年ぶり9連勝 2年目・奥川8勝、あるぞ新人王 30日にもM18点灯
「ヤクルト4-0DeNA」(28日、神宮球場)
一塁からゆっくり生還すると、ヤクルト・奥川が両拳を突き上げた。両軍無得点の五回。自身のバットで広げた2死満塁のチャンスに青木が劇的グランドスラム。つかみ、守り切った4点。「プレッシャーはすごくあったけど、連勝を止めなくてよかった」。6回3安打で無失点のバトンをつなぎ、チームは10年ぶりの9連勝だ。
状態が悪くても丁寧に打線を分断した。緩急を使い、DeNA打線を翻弄(ほんろう)。青木の一打に「本当にうれしかったですし、何とかこの4点を守ろうと思いました」と気を引き締め直した。
3連勝でつかんだ8勝目だ。五回の打席でバスターを決めるなど、投打で勝利に貢献。それでも奥川が目指す「エース像」はもっと先にある。「まずは中6日で1年間回れることが大前提。改めてかなり大変なことだなと思っています」。
疲労軽減のため、試合当日のキャッチボールは1度きり。登板前日には「イメージを作りたい」と相手打線の映像を何度も確認するようにもなった。
13戦負けなしで球団新記録に到達。29日からDeNAに連勝し、阪神が2敗か1敗1分けなら、最短で30日に優勝マジック「18」が点灯する。奥川自身の2桁勝利、新人王も見えてきた。「一生懸命、次の試合も頑張りたい」。この勢いは止まらない、止められない。