松坂の恩師、横浜高・渡辺元智元監督「心の中で『おめでとう』と叫んであげたい」

 渡辺元智氏
 渡辺監督(左)に見守られ投球練習する松坂大輔=1998年
 松坂(前列左端)ら率いて選抜大会を制した横浜・渡辺監督=1998年
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 今季限りでの現役引退が発表された西武・松坂大輔投手の高校時代の恩師で元横浜監督の渡辺元智氏は教え子の決断をねぎらった。6日に連絡を受けており、「ご苦労さん。(今後も)長く野球界のために頑張ってくれよ」とエールを送ったという。短い会話の中で教え子を思いやった。

 日米通算170勝を挙げるなど輝かしい実績ながら、ここ数年はケガに苦しんでいた。「夢を持ってきた人間だけにボロボロになっても、やってもらっていいと思います。本人が一生懸命やることで(周囲に)いろんなインパクトを与えていました」と現役へこだわってきた姿勢を理解。「(野球人にとって)生きている証拠なんです」と続けた。

 コロナ禍がやまない状況でユニホームを脱ぐと決めたことに対しても、渡辺氏は「意義が大きい」と感じている。「(松坂から)勇気をもらったという人はいっぱいいると思います。たくましく生き抜こうということにつながってくれれば。心の中では『おめでとう』と叫んであげたい。そういう気持ちで私はいます」

 松坂の横浜時代は2年秋の神宮大会を皮切りに、3年時は春夏の甲子園、国体と主要大会ですべて優勝のグランドスラムを成し遂げた。公式戦は44連勝と負けなし。特に夏の甲子園ではPL学園戦や明徳義塾戦、ノーヒットノーランを果たした決勝・京都成章戦など名勝負の連続だった。「1つのチーム、1つの大会で、3つも奇跡を起こせた」といまでも鮮烈な印象が残っている。

 「(松坂は)小さいときからメジャーに行きたいという夢を持っていました。強い思いを背負いながら(野球を)しないと実現できない」と、恩師として見守ってきた中で感じる野球へのひたむきさも称えた。

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