巨人・菅野の変化と、相手に与える心理的重圧 内田順三氏の視点

 巨人・菅野智之投手が1日、開幕から無傷の10連勝をかけてDeNA戦(東京ドーム)に登板する。安定感抜群の右腕はどこまで勝ち続けるのか。デイリースポーツウェブ評論家・内田順三氏から見た好調の要因、相手チームが取るべき戦略などについて聞いた。

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 「菅野の投球はストレート、スライダーが主体。4割が直球系で、6割が変化球。球種は豊富でどれもが一級品のレベルにあり、その日の状態や相手の狙いによって配球を組み立ててくるから絞りにくい」

 今季、被打率・184という数字が菅野のすごさを物語るが、球種別では直球が・209、スライダーが・107、ツーシームが・273、カーブが・200、カットボールが・417、フォークが・116。軸となるスライダーの被打率は昨季の・284から大きく改善されている。

 また、メンタル面でもより安定を感じるという。菅野が登板した試合では1試合平均5・3得点と援護も受けており「今まではマウンド上で少しイライラする表情が見えたり、厳しいコースをつこうとしすぎてカウントを悪くしたりといったこともあったが、今季はそうした部分があまり見られない。自分の球に自信があるのだろうし、先に点を取ってくれていたり、いつか援護してくれるという思いも強かったりするのだろう」。

 白星を重ねていくにつれ、より増していく存在感が相手の脅威にもなっている。「菅野の投球を見ていると、失投がないかといえばそんなことはない。相手が打ち損じたり、考えすぎてバットが出なかったりということもある。菅野という名前で、対戦前から優位に立てている。相手チームからすれば、試合前から2点ビハインドがあるくらいの心理的圧力があるのだろう。逆に考えれば菅野相手であろうが気持ちで飲まれていたら、いい結果は出ないだろう」

 では、菅野が負けるとするなら、どんな試合展開が予想されるのか。また、打撃コーチの視点で、対菅野にはどういう戦略が必要になるのか。「先手を奪われて六、七回くらいで代打を送らざるを得ないような状況が最も負ける可能性のあるパターン。狭い球場ならホームランのリスクもあるから、よりその可能性は高まるだろうね。戦略としてはいろいろとあるだろうが、データというものはスコアラーが細かく出しているから、チーム全体で何を狙っていくのか。簡単なことではないが徹底して、少しでも菅野に考えさせる投球をさせていかなければ勝つことは難しい」(データは共同通信デジタルTSUBASAから)

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