巨人は２５日、池田駿投手（２７）と楽天のゼラス・ウィーラー内野手（３３）の交換トレードが合意したと発表した。

　ウィーラーは１５年から楽天に在籍し、通算１０６本塁打の右の大砲。一方の池田は昨季まで通算６２試合に登板。主にリリーフとしてマウンドに上がり、スライダーやチェンジアップを武器とする左腕だ。

　４勝１敗で好スタートを切ったセ・パ首位チーム同士の電撃トレード。思惑はどこにあるのか。

　巨人は今季、外国人７人体制でスタートしたが、野手はパーラと育成選手から昇格したモタだけ。パーラは好スタートを切ったが、右の長距離砲が加われば打線の厚みが増す。

　原監督は「うちにはいないタイプの選手ですから。守備も、いろいろなポジションを守れる」と説明。闘志あふれるプレーが持ち味のウィーラーは「うちの選手は上品な選手が多い。そういう意味では野性味あふれる選手がひとり入った」とした。また、コロナ禍の影響でシーズン途中の外国人補強が例年以上に難航する事情があり、国内で実績のあるウィーラー獲得はプラス要素が多かった。

　一方の楽天は左投手が手薄で、補強ポイントに合致。また、ウィーラーは外国人争いに敗れて２軍スタートとなったが、チームの功労者ということで球団がトレード先を模索していたという。

　石井ＧＭは「池田は球の力も強い。左が手薄。シーズン中、一軍で力になると期待している。ウィーラーのような実績を残している選手が１軍でできないのは心苦しかった。ウィーラーも出場機会を求めていた。こちらからそういう環境を探していたのが経緯」と明かした。