広島商 15年ぶり甲子園も初戦敗退 正確小技に積極走塁&堅守に拍手喝采

 「全国高校野球選手権・2回戦、岡山学芸館6-5広島商」(10日、甲子園球場)

 1回戦2試合と2回戦1試合が行われた。15年ぶり23度目の出場となった広島商は、中盤までリードしながら八回に3点を奪われ逆転負けを喫した。それでも久しぶりの聖地でナインは“広商野球”を体現。スクイズや好守、隙のない走塁など、伝統のユニホームでグラウンドを駆け巡った。この惜敗を新たな力に変えて、再び甲子園を目指す日々が始まる。

 甲子園特有の強い浜風だった。1点を失い、なおも八回2死一、三塁。打球が背走する左翼手・杉山裕季外野手(3年)の頭上を越えた。2点適時二塁打で逆転を許し、31年ぶりの夏1勝はかなわなかった。

 「終盤で学芸館さんの展開にさせてしまったのが大きかった。選手は一生懸命やってくれた。監督の責任です」。甲子園初采配となった荒谷忠勝監督(43)は、悔しさをこらえながら言葉を紡いだ。

 5-3の七回。広島大会を勝ち上がってきた継投策で逃げ切りを図った。だが、独特の緊張感や勢いづいた相手を止め切れない。1点を追う九回は同点の走者を得点圏に進めたものの、あと一本が出なかった。

 荒谷監督は昨年8月1日に正式就任。選手とのコミュニケーションを大事にしてきた。「16~18歳の生徒にどう伝えるかが大事」。人気漫画「ワンピース」の場面を野球に置き換え、練習の意味や意図を伝えたりもした。

 厳しさを持ちながら「ポジティブ」や「勇気」という言葉も積極的に使った。主役の選手が力を出し切れる環境を整えることも指導者の役割と信じる。

 敗れはしたものの、聖地で見せた野球は“広商”復活を印象付けた。スクイズや隙を見逃さない積極的な走塁。堅守は何度も拍手喝采を浴びた。

 「選手が頑張って甲子園への扉を開けてくれた。1、2年生がこれを引き継いでほしい」と荒谷監督。長く続いてきた広島商の歴史を、これからも継承していく。

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