楽天・岸 東北の星になる! 故郷への思い胸に4回無失点
「オープン戦、楽天3-0中日」(11日、倉敷マスカットスタジアム)
忘れてはならない日に楽天・岸が力を見せた。3・11。東日本大震災から7年。故郷への思いを胸に、4回2安打無失点4奪三振。直球とカーブを主体に竜打線を封じた。
球場には半旗が掲げられ、試合前には黙とうをささげた。梨田監督は選手全員を集めてゲキを飛ばした。「今日はしっかりとした、いいゲームを見せよう」。仙台市出身の岸が奮い立たないはずがなかった。「僕自身も東北、宮城の出身なので、野球でしっかりいいところを見せられたらと思いました」。丁寧な投球で打者を斬った。
一昨年オフ、西武から地元に本拠地を置く楽天にFA移籍。震災で故郷が受けた甚大な被害を目にし、ふるさとに自分ができることはないのか-そんな思いが、移籍を模索した理由のひとつだった。1月に逝去した星野仙一球団副会長(享年70)にも「東北の星になれ!」と背中を押されて楽天の一員となった右腕は、地元に活気を吹き込む使命を人一倍感じている。
則本と並ぶダブルエースとして、チームをV奪回へと導く立場。4月3日の本拠地開幕戦・日本ハム戦(楽天生命パーク)での先発が確実だ。岸にとってこの日は、今季の活躍を改めて誓う1日となった。