明徳・馬淵監督、因縁の「8・16」に甲子園50勝目指す 92年松井5敬遠の日
全国高校野球選手権・第8日の15日に予定されていた2回戦4試合は悪天候のため中止となり、16日に順延された。出場予定だった8校は甲子園の室内練習場で調整。自身の甲子園通算50勝に王手をかけている明徳義塾・馬淵史郎監督(61)は、25年前に“松井の5敬遠”で物議を醸した因縁の「8・16」に、史上5人目の大台到達を目指す。
悪天候により前橋育英戦が16日に順延。甲子園の室内練習場でナインの動きを見守った明徳義塾・馬淵監督は「やりたかったけど、天気のことやからね。あした頑張りたい」と冷静に話した。
中止順延となったことで、甲子園通算50勝目がかかる一戦が“因縁の日”と重なった。1992年夏の甲子園2回戦。当時36歳の馬淵監督が星稜・松井秀喜(元ヤンキースなど)に対して5打席連続敬遠の作戦を実行し、世間を騒然とさせたのが8月16日だった。
あれからちょうど四半世紀。同じ「8・16」に、史上5人目の大台到達を目指す。馬淵監督にとっては、野球人生をかけた大目標。91年夏の初勝利からコツコツと積み上げ、「50勝したら辞める」とまで口にしたほど手に入れたい“勲章”だ。
「50勝以上の顔ぶれを見ると素晴らしい人ばかり。仲間入りができたら最高にうれしいですね」。歴代1位の智弁和歌山・高嶋仁監督(71)ら名将の面々を思い浮かべながら、節目の1勝に意欲をにじませた。
相手の前橋育英は、初戦で3本塁打を放つなど強力打線が持ち味。明徳義塾はエース・北本佑斗投手(3年)と市川悠太投手(2年)の必勝リレーで挑む。「相手は優勝候補。でも、明徳の野球をやり切れば好ゲームになる。食らいつきたい」。百戦錬磨の将が執念のタクトを披露する。