大谷、驚弾150メートル 二刀流侍へ強烈アピール

 野球日本代表「侍ジャパン」が6日、10日から始まる強化試合に向けてQVCマリンフィールドで合宿をスタートさせた。強化試合に打者で出場する日本ハム・大谷翔平投手(22)は、フリー打撃で150メートル級の驚弾を含む7本の柵越えを披露。侍ジャパンの首脳陣に打力をアピールした。来年のWBC本戦は、投手ではエース格として、打者ではクリーンアップとして、チームを引っ張る存在になるかもしれない。

 代表クラスに入っても飛距離は別格だ。侍ジャパン強化合宿初日。フリー打撃を行った大谷が、いきなり超ド級の弾道を披露し、侍首脳陣を驚かせた。

 左の打撃投手を相手にした時だ。6球目。フルスイングした打球はマリン独特の風にも乗って、中堅方向へ。そのまま伸びていくと、マリンビジョンの右側で鈍い音を発し、ぶち当たった。これには打撃ケージ後方で見守った稲葉打撃コーチも呆気にとられた。

 「風ですよ。どちらかと言えばボールが軽かったので」。大谷は余裕の表情を浮かべ、シーズンで使用する統一球との打感の違いが影響したことを強調。先月29日まで日本シリーズで戦っていたため、現在も打撃の状態を維持している二刀流は、その後も右中間上段へ飛ばすなど、27スイングで柵越え7発と、破壊力を見せつけた。

 来年3月に行われるWBCでは二刀流で出場する。投手としてはエース級の期待がかかる一方で、指名打者での出場の場合、クリーンアップに名を連ねる可能性もある。投打の中心を任される存在の大谷だが「チャンスを広げたり、走者を返す打撃をしたい。WBCへ向けてアピールしたい」と至って冷静だ。

 今回の強化試合では打者限定の出場。それでも打撃練習後は、投手として投内連係の練習に加わり、同い年の阪神・藤浪とともにランニングを行った。「(メニューは)自分で決めた」。WBC本番に向けて、投打ともににしっかりと調整していく方針だ。

 「(WBCは)一番大きな大会。そこで勝ち抜いて、世界一を獲るのは野球選手として目標」と力強く言い切った大谷。侍でも投打で力になるために自らを追い込んでいく。

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