ハム大谷、日本新165キロ連発 DHから守護神、圧巻3人斬りで日本S進出

 「パCSファイナルS・第5戦、日本ハム7-4ソフトバンク」(16日、札幌ドーム)

 日本ハムがソフトバンクに逆転勝ちして対戦成績を3勝2敗とし、1勝のアドバンテージを加えて4年ぶり7度目の日本シリーズ進出を決めた。大谷翔平投手(22)は指名打者で先発したが、九回に登板。自身の持つプロ野球最速を更新する165キロを連発し、最後を締めた。最優秀選手には中田翔内野手(27)が選ばれた。22日にマツダスタジアムで開幕する日本シリーズでは、10年ぶり3度目の日本一を目指し、広島と激突する。

 誰もが想像をしてなかった登場に、満員のスタンドからどよめきと歓声が交錯した。「3番・DH」で先発した大谷が7-4の九回、マウンドにゆっくりと上がり、抑えとして鷹打線に向かった。

 いきなり全開だった。先頭松田に対し、初球は163キロでファウル。2ストライクに追い込んだ後の3球目には自身の持つプロ野球記録の164キロを計測。ファウルになったが最後はスライダーで空振り三振に仕留めた。

 そして吉村への投球で、球場にいるすべての人の度肝を抜いた。1球目。思い切り右腕を振り、投じた直球の球速は「165キロ」。記録更新で球場内がどよめく中、スライダーで空振りを奪い、3球三振に仕留めると、雄たけびを上げた。

 あと一人。本多には力の限り腕を振った。2ストライクに追い込むと、3球目にまたも165キロを計測。6球目にもこの日3度目の165キロを出した。最後は149キロのフォークで遊ゴロに打ち取り、自身初の日本シリーズ進出が決定。この日の直球の平均球速は164・1キロ。完璧な火消しでプロ初セーブを挙げた。

 「いい雰囲気でマウンドに上がらせてもらっていいパフォーマンスが出せた。すごい声援がそうさせてくれた」

 栗山監督にとっては奥の手だった。13年8月以来2度目となる野手出場からのリリーフ登板。「ある程度、体力的な心配はなくなって1回は無理できる」。第1戦後に指揮官から5戦目以降はリリーフの準備をするようにと命じられていた大谷は、三回の打席後、厚沢投手コーチに「行きましょうか」と登板を志願。「若い気持ちをくんでやらないと」。逆転後に栗山監督は抑えで使うと決めた。

 七回の打席後にはブルペンで投球練習を行った。「DHで出ていたので体自体は動いていた。(練習の)省略できる部分があったのがよかった」。第1戦のリアル二刀流から5試合連続出場し、中3日での登板。「僕一人で取り組んできたわけではない。トレーナー、裏方さんに助けられ、体が強くなっている。そういう人のおかげ」と感謝した。

 大谷の獅子奮迅の活躍で、チームは4年ぶりの日本シリーズ進出。栗山監督は「これがロマン。俺が監督をやっていてベストのゲーム」と興奮気味にまくし立てた。二刀流劇場は日本シリーズでも続く。

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