タカ8連勝、和田は日本復帰後初完封
「ロッテ0-5ソフトバンク」(20日、QVCマリンフィールド)
淡々と、時に力強く「0」を並べていった。「(捕手の)斐紹がいいリードをしてくれた」。ソフトバンクの和田は謙遜したが、35歳の年輪、気持ちの強さが詰まった投球だった。
23歳の捕手と話し合ったテーマは2つあった。インコースをうまく使うこと、球数を少なくすること-。そのためにチェンジアップを減らし、ストレートを増やした。五回まで1人の走者も許さなかったロッテ先発の二木が崩れていったのとは対照的に、和田は抜群の制球力、絶妙な投球テンポと力加減で後半も付け入る隙を与えなかった。
唯一のピンチだった三回は2死から連打を浴び、デスパイネには四球を与えて満塁とした。続く角中は内角を攻めた後、直球を外角低めへ。バットに空を切らせ、狙い通りに三振を奪った。「あそこは全力でいった」。球速はこの日最速の142キロだった。
日本球界に復帰した今季、ここまで3度の先発で最長は今月5日のロッテ戦での7回。122球を要した。「抜くときは抜き、力を入れるときは入れる」で114球。テーマを完遂し、2011年9月21日以来、4年7カ月ぶりとなる完封勝利をつかんだ。「完封は結果。投手と捕手の共同作業と打者のおかげ。1人ではできない」。チームメートに感謝したベテラン左腕を、工藤監督も「見事、素晴らしい」とたたえた。