ロッテ涌井最多勝!執念で大谷に並んだ

 「楽天3-9ロッテ」(6日、コボスタ宮城)

 仲間が勝ち越すまで、ロッテ・涌井はマウンドに立ち続けた。執念の137球は実った。「感謝、感謝の最多勝です」。日本ハム・大谷の15勝に並び、6年ぶり自身3度目のタイトルをもぎ取った。

 「ここまで来たら、最後まで投げるつもりでした」。気力がみなぎっていた。目の前の打者を、ただ一心に退けた。延長十一回。次のイニングに向けてキャッチボールを始めた右腕は、清田の押し出し四球で勝ち越したのを見届けると、安どの笑みを浮かべ、ベンチに下がった。

 タイトルを諦め、10日のCSファーストS第1戦の先発に回るプランもあった。一度はその案に対し、伊東監督に「分かりました」と返事した。だが、「やっぱり行かせてください」と、この日の先発を志願。西武時代の07、09年と2度の最多勝を獲得。その後、抑え転向を経て、先発機会を求めてFA移籍した右腕は、復活の2文字を証明するため、勲章にこだわった。

 次はCS。中4日で第2戦での先発に「まだまだ投げられそう。直訴してみようかなと思います」と涌井。大車輪のエースは事もなげに笑った。

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