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オコエが「爆発的成長」を遂げた理由

 野球部の寮「貫行寮」の看板の前で、さらなる飛躍を誓う関東第一・オコエ
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 今秋ドラフト上位候補に挙がる関東第一(東京)のオコエ瑠偉外野手(3年)が、15日にプロ志望届を提出した。抜群の身体能力を生かしたプレーで高校野球ファンの心をつかみ、今夏の活躍で一気に脚光を浴びる存在となった。爆発的に成長を遂げた要因を、本人と指導者の言葉で探った。

 高校入学当初、オコエは飛び抜けた存在ではなかった。「最初はあまり印象になかったのが正直なところ」と関東第一の米沢貴光監督(40)。ただ、印象に残っていることがあった。中学の担任からは「ずっと『プロになる』って言っているんです」という話を聞いていた。中学時代は目立った実績があったわけではない。「はっきり言う子は少ない。それはすごいなと思っていました」。そんな意志の強さが、順調な成長につながっていく。

 オコエの最大の魅力は、スピードと積極性にあふれた走塁。その武器が磨かれた背景は、関東第一のチームカラーが大きい。打力だけに頼らず、足と小技を絡めた隙のない攻撃が伝統。選手は徹底的に状況判断と技術をたたき込まれる。

 「もともと足が速いので慢心があった。意識を変えてもらいたかった」と佐久間和人コーチ(36)。技術面では、ストライドを広げることに取り組んだ。練習では地面に置いたトンボを踏まないように走る。反復練習の結果、二盗で他の選手は塁間13~15歩要するところを、オコエはほぼ10歩。スピードに乗った状態なら、塁間をわずか8歩で走ることもあるほどになった。

 一方、オコエは転機について「1年冬に意識がガラッと変わりました」と振り返った。メンバー外だった1年秋、チームは東京大会を制して翌春のセンバツ出場を確実にしていた。甲子園でプレーするためには‐。守備に定評があった1年先輩の中堅手・熊井智啓(現桜美林大)を食い入るように見つめた。

 「熊井さんの技術に、自分しか持っていないものを足せばいい」。2年春のセンバツのベンチ入りはかなわなかったが、同夏はレギュラーに定着。1球ごとにポジショニングを変えるなどの守備意識の高さは、この時期が土台になっている。

 転機については、指導者の見立ては少し違った。佐久間コーチは「去年の秋に自分たちの代で負けてからですね」と話す。2年夏の活躍でマークされたオコエは、内角攻めにあって打撃を崩し、東京大会の準決勝で敗退。そこからは「毎日スイングするようになった。量も質も変わった。ギアが本当に上がった」(同コーチ)。自主練習で隠れて休むようなこともなくなった。

 そして、最後のひと押しとなったのが、注目度の上昇だ。取材を受ける機会も増えた6月末、オコエは「励みになります」と、米沢監督に話していた。それまでは注目を浴びた経験も少なかった。指揮官は「力の源になったんじゃないですか」と振り返る。自分のプレーがチームに勢いをもたらし、東東京大会で優勝。「いける」という自信が、さらに積極性を生む。そんな好循環が、今夏の爆発的な成長につながった。

 小学校時代は、西武のファンクラブ会員。オコエは実家から近い西武ドームによく通った。「松坂さん、カブレラ、フェルナンデス…それに日本ハムですけど、新庄さんが好きでしたね」。目を見張るような豪速球やどこまでも飛んでいく打球、超人的な守備に胸を躍らせた。今度は自分が逆の立場となる。将来の目標はトリプルスリー。「すべてにおいてトップレベルになりたい」という野望への第一歩が、10月22日のドラフト会議になる。

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