広島新庄 県勢春夏通算200勝

 「全国高校野球・1回戦、広島新庄4-2霞ケ浦」(7日、甲子園)

 広島新庄が初出場対決を制した。2年生エースの左腕・堀瑞輝投手が9回133球を投げ10安打2失点。終盤に左足がけいれんするアクシデントを乗り越える粘投で白星を手繰り寄せた。県勢の初戦突破は2011年の如水館以来4年ぶり。第2回大会(1915年)で広島商が県勢初勝利を挙げて以来、甲子園での勝利が春夏通算200勝に到達した。

 甲子園のマウンドで、堀はホッとした表情を浮かべた。九回2死二、三塁。最後の打者を中飛に打ち取り「調子が悪いなりに試合をつくれた。勝つことができてうれしい」と白い歯をのぞかせた。記念すべき夏1勝は、エースとして133球を投げ抜き勝ち取った価値ある白星だ。

 終盤のアクシデントを乗り越えた。4-2の八回だ。2死後、左ふくらはぎがけいれん。「試合中になるのは初めて。ピリッときた」。足を引きずりながら一度、マウンドを降りた。応急処置として水分補給後、ストレッチで筋肉をほぐして再び戦闘態勢に入った。

 最終回は迫田守昭監督(69)の「頑張ってこい!」というゲキを力に変えた。自己最速タイの140キロも計測しリードを死守した。終盤もスピードは衰えない。冬場の練習で鍛え、つくりあげてきた体が躍動した。

 チームの夏初勝利は県勢として春夏通算200勝という節目でもある。大阪、兵庫、愛知、東京、和歌山に続く6都府県目に、左腕は「広島代表として200勝したいと思っていた。よかった」と胸をなで下ろした。

 1つの黒星が左腕をたくましくした。昨秋の中国大会・関西戦に背番号「10」を背負い先発。3回7安打5失点でKOされた。「悔しさを味わい練習に取り組む姿勢が変わった」と宇多村聡コーチ(28)は振り返る。

 膝元まで雪が積もる冬場は、長靴で雪上ランニング。1月には自主トレで母校を訪れたOBの巨人・田口に刺激を受け、憧れの先輩が果たせなかった聖地への思いをさらに強くした。ふがいなかった自分を変えるため、練習に熱がこもった。

 「次も自分の持ち味の直球で押したい」と、13日の2回戦(対戦相手未定)に気持ちを引き締めた。夏2勝目に向けて、再び左腕を振る。

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