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大阪・本町で愛される大衆割烹「そのだや八万」こだわりの逸品ずらり

 女将の原口せいみさん(中央)を囲み「カンパーイ!」
 刺身五種盛り(左)と鱧おとし
 ソースもすべて手作り
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 大阪・本町。キタとミナミの中間にあるオフィス街に、サラリーマンでにぎわう大衆割烹「そのだや八万」がある。女将の原口せいみさんはこの道40数年ながら「今でも仕込みが間に合うかドキドキします」と懸命に料理に打ち込む。素材を生かし、ソースもポン酢も手作り。細部にこだわったメニューの数々は季節感もいっぱいだ。

 ◇   ◇

 せいみさんの両親が1966(昭和41)年、尼崎で開いた「そのだや」の屋号を今も引き継ぐ。高校卒業後、店を手伝うことになったが「あまり乗り気ではなかったんですけど、母親の体が弱かったので仕方なくて」。

 しかし、70(昭和45)年に開催された日本万国博覧会でベルギー館に勤務したことが転機となった。「ベルギー人のシェフの下、ウエートレスとしてホール担当でした。毎日が楽しくて、飲食の仕事もいいなぁと見直すきっかけになりました」

 当時日本ではほとんど見ることがなかった、ヨーロッパのエスプレッソマシンが印象に残っているという。

 それ以降はお店一筋。調理師免許、フグの取扱登録者証も取得し、結婚し子どもが生まれても休まなかった。「子どもと一緒に留守をしてくれる人を雇って、食事は合間に作りに帰っていました」

 77(昭和52)年頃、大阪・江坂で「そのだや八万」として開店。一時期、夫・雅雄さん(67)の転勤で移った広島でもカフェ兼居酒屋を始めたところ大繁盛したという。10年前、大阪に戻り一昨年11月、現在の場所で新規オープンとなった。

 「労働時間が長いのが一番大変」と笑いながらソース類からだし、ドレッシング、造り醤油、ポン酢などすべて手作り。「安心、安全は当然のことで、いいものを食べていただきたいという思いだけです」

 手間を惜しまない姿勢はこの日の「突き出し」で納得。トロリとした一口スープは、ナスを焼いて皮をむき、あめ色になるまで炒めた玉ネギと一緒にミキサーにかけたもの。ハモの酢の物、万願寺ししとうとじゃこ炒めの3品が並ぶ。

 常連さんも多く、近くの商社に勤めるサラリーマンのグループは仕事終わりの懇親会で盛り上がっていた。「デイリースポーツ?阪神ファンなのでデイリーファンですよ」と言ってくださってありがとうございます。せいみさんを囲んで「カンパーイ!」

 カウンター席もあり、ふらりと1人でも入りやすい。

 ◆そのだや八万 大阪市中央区久太郎町3の1の27ヒグチビルB1 地下鉄本町駅10番出口から徒歩2分。TEL06・6245・2666。営業16~23時。土日祝は予約のみ。

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