【井川慶氏の眼】阪神・佐藤輝2ランの前の森下の四球が大きかった 一発が出やすい東京ドームでは「余計なランナーを出すな」

 「巨人0-4阪神」(19日、東京ドーム)

 阪神が接戦を制し連敗を2で止めた。対巨人戦は4連勝で今季12勝4敗。宿敵の自力優勝の可能性を消滅させた。0-0の延長十一回1死一塁、佐藤輝が決勝の25号2ランを右中間スタンドへ放った。さらに2死一塁で坂本にも左越え2号2ランが飛びだした。デイリースポーツ評論家の井川慶氏は「佐藤輝選手の2ランは見事でしたが、その前の森下選手の四球が大きかった」と指摘した。

  ◇  ◇

 現役時代、一発の出やすい東京ドームでは「余計なランナーを出すな」とよく言われたことを思い出しました。結果的に、もらったチャンスを生かしたのが阪神でした。延長十一回1死一塁での、佐藤輝選手の2ランは見事でしたが、その前の森下選手の四球が大きかったですね。

 もし森下選手がアウトになり、2死無走者という状況であれば、佐藤輝選手はより一発を警戒した攻めをされていたでしょう。その中でもし四球となっても、巨人・船迫投手とすれば、2死一塁で右打ちの大山選手を迎えることになり、佐藤輝選手よりは攻めやすい状況になったのかなと思うので。もちろんそこで大山選手が打つ可能性もありましたが、巨人側からすると、余計に与えてしまった四球となり、阪神はそこを逃さず得点につなげた形となりました。

 阪神としても、バントのミスや好機を逃す場面もあったので、盤石の試合運びではなかったと思います。それでも勝てたのは、無失点リレーで流れを渡さなかった投手陣の粘りであり、阪神の強さだと思います。

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