【谷佳知氏の眼】阪神・村上の「不用意な1球」から流れ変わった 

 「ヤクルト4-3阪神」(27日、神宮球場)

 阪神はリーグ再開初戦で最下位のヤクルト相手にサヨナラ負けを喫した。先発の村上頌樹投手(27)は3点リードを守れずに降板。デイリースポーツ評論家・谷佳知氏(52)は並木に本塁打とされた投球を「不用意な1球だった」と分析した。

  ◇  ◇

 先発の村上が並木に浴びたソロ本塁打から、試合の流れが変わってしまったように思う。

 村上は立ち上がりから本調子ではなかったように見えたが、六回までピンチをなんとかしのいで無失点に抑えた。3点リードで残り3イニング。エースとして少なくとも八回まで、できることなら九回を一人で投げ切りたいという思いがあったのでは、と思う。そんな状況で迎えた七回。先頭を仕留め、それまで2打数無安打と打ち取っていた並木を迎えた。

 カットボールを3球続けて、2ボール1ストライク。続く4球目、ストライクを取りに行った真っすぐが甘く真ん中に入ってしまった。並木は長打力があるタイプではない。甘く入りさえしなければ、スタンドまで運ばれることはなかっただろう。油断したわけではないだろうが、不用意な1球だったと言わざるを得ない。

 この一発を引きずってしまい、オスナに対してはどうしても抑えないといけないという力みが出てしまって打たれた印象だ。

 村上が3点差を追い付かれたことで、ゲーム運びにも狂いが生じた。

 阪神ベンチは六回の守備からヘルナンデスに代えて、守備固めに熊谷を起用した。その熊谷に同点で九回に打席が回り、今度は勝ち越しを狙って、代打に高寺を送った。そしてその裏に高寺の失策でサヨナラ負けを喫してしまったのだから、流れが阪神になかったと言うしかない。

 阪神からすれば相手の失策、捕逸で点をもらった一方で、走塁でミスがあり、最後には失策も出た。反省すべき点は反省し、気持ちを切り替えて、次のゲームに向かってもらいたい。

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