【藤田平氏の眼】阪神ドラ1・森下の長所 馬力&変化球の対応力 内角&走塁は課題
「練習試合、中日9-3阪神」(23日、Agreスタジアム北谷)
デイリースポーツ評論家・藤田平氏(75)が23日、阪神ドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=の長所と今後に向けた課題を分析した。長所は打撃における「馬力」「変化球を苦にしない」ことなどを指摘。一方、さらなる成長ポイントとして「内角の対応」「走塁意識」を挙げた。
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彼の良さを挙げると馬力があり、ボール球を振らない点。かつ、初球から振りにいこうとするバッティング態勢を整えていることも評価できる。さらに言えば、今キャンプの打撃を見ているとアウトコースと変化球に強い印象も見受けられる。
この日の練習試合で象徴的だったのは、左翼線への適時二塁打を記録した二回の打席。追い込まれてから外寄りのチェンジアップを打ったものだった。外寄りのスライダーを打ちにいき遊直だった九回の打席も、彼の良さが出た内容といえる。
左腕を伸ばすようなスイングが特徴的だ。このこともあって外角に強いと感じていた。自分がヒットにできるコースも把握しているように見える。
ただ、気がかりな点も左腕の使い方。この日、注目しながら見させてもらったポイントは、うまく内角に対応できるかだった。
本来、インコースを仕留める時、投手側の腕を畳むようにしてスイングする。例えて言えば、刀を鞘(さや)から素早く抜く居合抜きのような軌道だ。左腕を伸ばすスイングでは内角球をファウルにしてしまうケースが多くなる。七回の打席で内角のカットボールをファウルしたことも、それが影響しているからだろう。
この時期、他球団のスコアラーはデータ集めでキャンプ地へやってくる。この日の中日バッテリーも内角への対応を探っているような配球だった。これから試合数を重ねて克服してほしい。
そして、もうひとつ。打撃以外で大切にしてほしいものが走塁。二回の適時二塁打で二塁走者となった時、リードの狭さが気になった。走塁を苦手にしているのかな、という印象を与えかねない。
大事なのはリードを『2段階』で広げていくこと。『第1段階』は投手がセットポジションへ入る前。そして『第2段階』は、投手がセットポジションとなってから投球するタイミング。リードを広く取ることはチームのためになる。相手バッテリーへのプレッシャーにつながるからだ。
今キャンプは外野争いが注目されている。彼がレギュラーの座をつかむことは当然、チームにとって良いことだ。まだ新人。課題と向き合い、大きな成長を見せてくれることを期待したい。
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