阪神に走塁革命!赤星臨時コーチの哲学“3本柱”注入「選手の引き出し増えれば」

 走塁のアドバイスを送り笑顔を見せる赤星臨時コーチ(中央)(撮影・立川洋一郎)
 一塁からスタートを切る中野(中央)を見つめる赤星氏(右)=撮影・立川洋一郎
 野手に走塁指導する赤星臨時コーチ(左から2人目)=撮影・高部洋祐
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 「阪神春季キャンプ」(4日、宜野座)

 阪神で3日間の“走塁塾”が始まった。元阪神の赤星憲広氏(46)が4日、臨時コーチとして招かれ、近本光司外野手(28)、中野拓夢内野手(26)らに走塁指導を行った。ベースランニングや帰塁など熱のこもった助言を授け、通算381盗塁を誇る“レッドスター”がその神髄を注入した。

 岡田阪神に走塁改革を起こすべく、宜野座で“赤星走塁塾”がスタートした。4年連続でリーグ1位のチーム盗塁数を誇る阪神だが、虎将はさらなる質の向上を求めて赤星氏を招へい。レジェンドOBは指導初日から“赤い彗星”の走塁哲学「3本柱」を注入した。

 午前中に野手20人で行ったベースランニングでは、落合監督が率いていた中日を例に挙げて指導。自身の現役時代、安打を放った後も貪欲に次の塁を狙う大きなオーバーランが「守っていて嫌だった」と回顧し、落合流の「相手に脅威を与える走塁」を強調した。さらに「実戦の意識を持たないとうまくならない」と惰性で行うベースランニングを否定し、意識向上を求めた。

 近本、中野、島田、植田、小幡の左打者5人を集め、トスを右方向に打ち返して一塁まで駆け抜けた後、今度は左方向に打ち返して一塁まで疾走。タイムを計測して比較した。赤星氏によると、近本や中野に内野安打が少ないことを受けての岡田監督の発案。「振り切ってから」と「流し打ってから」の走塁タイムで0・3~4秒違った選手もいた。追い込まれた後、状況に応じた打撃の選択肢を提示した。

 この日、最も時間を割いたのが足からの帰塁だった。岡田監督も見守る前で近本、中野、島田、植田、熊谷の俊足5人に約55分間指導。負傷防止に加え、反応も上がるといい、5人は慣れない帰塁法に戸惑いながらも赤星氏の教えを反復した。

 また、チームは今季から盗塁を選手の判断を任せる「グリーンライト」ではなく、ベンチからのサインとなる方針。赤星氏は「監督の責任で、監督が背中を押してくれると思って走ったらいい」とアドバイス。「去年より(盗塁数が)減る」と予測した上で「どれくらい精度を上げられるか」と成功率上昇が鍵とした。

 「選手の引き出しが増えればいい。『あの時のあれが生きたな』と思ってくれたら、それで十分」と自身の役割を表現した。3日間という限られた時間で、“アレ”の助力となるために全力を尽くす。

 ◆近本の内野安打数 近本のシーズン毎の内野安打数は、新人だった2019年が最も多い33安打。翌20年は25、21年は23、22年は18本と減少傾向。なお、22年のセ・リーグ最多安打の中日・岡林は内野安打22本、DeNA・佐野は7本。パ・リーグ最多安打の楽天・島内は14本だった。

 ◆赤星氏の臨時コーチ 阪神では12年の春季キャンプに参加。主に盗塁の意識改革を訴え、スタートを切る際の「動き」に主眼を置いて助言。「『静』から『動』ではなく、『静』と『動』の間に小さな動きがいる」と指導した。22年には日本ハムの春季キャンプに。新庄ビッグボスのリクエストに応えたもので五十幡らへ盗塁技術を伝授。バッテリーには走者が走りづらくなる意識を講義した。

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