阪神・西純“二刀流”誕生の瞬間 打席入る前に糸井からの助言&日頃の努力が結実

 5月18日のヤクルト戦で衝撃のプロ1号を放った・西純
 投げてもプロ初完投の西純=5月18日、神宮
 9回、山田を三振に斬ってガッツポーズする西純=5月18日
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 オリックスの26年ぶり日本一で幕を閉じた今季のプロ野球。両リーグ共に昨季の優勝チームが連覇を飾り、覇権奪回を狙ったライバルたちを蹴散らした。143試合のペナントレースにおいて、デイリースポーツ記者の脳裏に焼きつき、心に残った試合、場面を振り返るオフ企画『一投一打』。まずは阪神担当の関谷記者が、西純がプロ初完投、初本塁打を放つ二刀流の活躍を見せた5月18日のヤクルト戦(神宮)を振り返る。

  ◇  ◇

 投げてはプロ初完投、打ってはプロ初本塁打…とまるで野球漫画を見ているようだった。5月18日・ヤクルト戦で投打“二刀流”の活躍を見せた西純。神宮球場の視線を独り占めにした背番号15が、文句なしのヒーローだった。

 「8番・投手」で出場。打った後のフォロースルーは完全にアーチストの姿だった。1点リードの二回2死一塁。高橋が初球に投じた150キロ直球が真ん中に入り、これを逃さない。「打った瞬間、“行ったわ”と思いました」と手応え十分の一撃は、左翼席中段に突き刺さった。

 裏話がある。後日、西純を取材した際、超人からの助言が生きたと話していた。打席に入る前、糸井から「真っすぐが高めに浮く。このボールを待って打て!」と左腕の傾向を伝えられ、好球必打を心がけた。まさに狙い通りの一撃。「実践してホームランが打てたのはすごく思い出に残っています」としみじみと振り返っていた。

 日頃の努力も結実したように思う。虎風荘で時間を見つけては素振りを繰り返し、時には寮に隣接する室内練習場で打撃練習に取り組む。井上や若手選手と一緒にスイングを重ね、臨戦態勢を整えてきた。

 本職の投球も抜群だった。9回6安打1失点、115球の熱投で無四球完投勝利を達成。最終回でもボールの威力は衰えず、151キロのストレートを投じていた。タフネスぶりを発揮し、ブルペン陣を休ませた面でも価値のある働きだった。

 二刀流で活躍するエンゼルス・大谷も日米通じて実現できていない完投勝利&本塁打という偉業を高卒3年目でやってのけた。そんな将来のエース候補の姿が、虎の明るい未来を予感させた。

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