阪神・栄枝 プロ初Hが土壇場同点打 打った瞬間「よっしゃ!」甲子園が大興奮

9回、代打・栄枝は同点適時打を放つ(撮影・山口登)
栄枝の同点適時打に阪神ナインはベンチを飛び出し喜ぶ
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 「阪神3-3ヤクルト」(2日、甲子園球場)

 阪神・栄枝裕貴捕手(24)の打球が右前で弾むと、地鳴りのような大歓声が起こった。九回、土壇場で飛び出したプロ初打席初安打は値千金の同点タイムリーだ。伏兵の一打に、ベンチのナイン、矢野監督も大喜び。格別の光景に、一塁上の栄枝は夢見心地だった。

 「あんな大人数がいるところでプレーしたのは初めてだったので、打った瞬間『よっしゃ!』って感じで。チームの人たちが喜んでくれて最高でした」

 2点を追う九回、梅野の適時打で1点差に迫り、なお2死一、二塁。ベンチ最後の野手となった栄枝が代打で起用された。「本当に使わなあかん状況まで来て。自分がそういうのもあるのかなと、運命と思って」。無我夢中でマクガフの154キロを振り抜き、最高の結果につなげた。

 恩返しの一打だ。2年前の入団会見。背番号39に袖を通し「矢野監督じゃなくて、栄枝の番号と言われるような活躍をしたい」と抱負を語った。ただ2軍暮らしが長く、この日がプロ初出場。ようやく「ナイスバッティング!持ってるな」と将をうならせ、「最後にほんのちょっとですけど、(活躍を)見せられて良かった」とはにかんだ。

 同期の佐藤輝、伊藤将、中野の活躍に「自分ももっとできるのにと悔しい気持ちがあった」。来季は勝負の年だ。CSでも限られたチャンスの中、爪痕を残していく。(杉原史恭)

 ◆栄枝裕貴(さかえだ・ゆうき)1998年5月16日生まれ、24歳。高知県出身。180センチ、81キロ。右投げ右打ち。捕手。背番号39。今季推定年俸800万円。高知から立命大を経て、2020年度ドラフト4位で阪神入団。

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