阪神・伊藤将が94球完投 初回2球で今季初被弾から完全修正 聖地8戦負けなし6連勝

 完投勝利に笑顔でハイタッチを交わす伊藤将(中央)ら阪神ナイン(撮影・飯室逸平)
 先発し力投する伊藤将(撮影・山口登)
勝利の瞬間、手を叩いて喜ぶ伊藤将(撮影・飯室逸平)
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 「阪神4-1DeNA」(18日、甲子園球場)

 その瞬間、クールな表情がふっと緩んだ。九回1死一塁。大田を遊ゴロ併殺打に。完投勝利を手にした阪神・伊藤将は、大興奮の甲子園の中心で、白い歯を見せて笑った。

 「チームの連勝をストップできないと思ったので。負けたくないという気持ちで投げました」

 波乱の立ち上がりだった。初回1死から、大田に初球の外角高めツーシームを完璧に捉えられ、左翼席へ今季初被弾。わずか2球で先制点を献上する展開に、虎党の不安げな表情がちらほら…。それでも「仕掛けが早かったと感じたので、丁寧に、初球でも低めを意識して投げてました」とすぐさま修正した。

 直後に味方が逆転に成功すると、二回以降は完全に立ち直った。前回11日・オリックス戦(京セラ)で手応えを得たカーブをこの日も有効に使うなど緩急を駆使。2-1の三回2死一塁では本塁打を浴びた大田を見逃しの三振に斬り、そこから打者13人を連続アウトに仕留めた。終わってみれば、わずか94球で9回1失点。許した安打はポテンヒット、内野安打を含めた3本だけだった。

 4月6日・DeNA戦(甲子園)では0-1の九回2死から牧に同点適時打を許し、あと1球で完封勝利を逃してチームも敗戦。約2カ月の時を経て、苦い思いをした相手にリベンジを果たした。さらには甲子園で昨年9月1日・中日戦から8戦負けなしの6連勝と“聖地男”ぶりを発揮。矢野監督も「明日(19日)は中継ぎをつぎ込める形を、将司(伊藤将)が作ってくれた。本当にナイスピッチング」と感謝した。

 1日早いプレゼントだ。19日の「父の日」には昨年と同様、お酒を贈る予定だという左腕。「小さい頃からお父さんがよく見てくれていたし、そのおかけで今がある。感謝して、1軍で長く活躍してるところを見せたい」。最高の形で感謝の3勝目を届けた。

 ◆今季初の100球以内完投星 チームでは今季7度目の完投勝利で100球以内は初。ここまでの最少球数は伊藤将が完封勝利した5月22日・巨人戦の111球だった。また、直近の100球未満完投勝利は、21年10月2日・中日戦(甲子園)で完封勝利した高橋の97球。

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