「阪神１－９広島」（９日、甲子園球場）

　まだまだ『底』は深い。阪神の借金はあれよあれよと膨らみ続け、早くも『１０』に到達した。開幕１３試合目での２桁到達はセ・リーグ史上最速。またひとつ屈辱的な記録を更新してしまった。

　この日もミスの連発で序盤から流れを渡す。二回１死二塁では、上本が打ち上げた右翼への飛球を佐藤輝が目測を誤り、後退した後に慌てて前進するも追いつけず。上空には強風が吹いていたが、「そんなん言い出したら、言い訳にしかならない」と矢野監督もバッサリだ。

　一、三塁とピンチが広がり、森下にはフルカウントからスクイズを決められた。捕球した秋山がタッチプレーでは、とても間に合わないタイミングながらホームへ送球（記録は野選）。「なかなかホームでアウトにするのは難しいプレーだったので、冷静にいってくれていたら…」と指揮官も嘆く。三回には２死満塁から走者一掃の三塁打を浴び、４打点を稼いだ森下は投球にも勢いが増した。

　現状を打破するべく、この日は計６選手を入れ替えた。六回からは佐藤輝が三塁に回り、高山が右翼を守る新たなオプションを試行。高山とともに同じ外野手の島田も昇格させており、今後は「三塁・佐藤輝」のスタメンパターンも増えそうだ。今季初昇格の岩貞も本来の投球を見せ、「上げられるような状態のやつがどんどん来てくれたら」と矢野監督。何とか現状を打破するべく、活性化を図っていく。（和田　剛）

　◆阪神の借金１０…両リーグ最速の借金１０で、１３試合終了時での２桁借金はセ・リーグ史上最速。これまでは１４試合で６７年・ヤクルトと５７、９３年・大洋、横浜（現ＤｅＮＡ）、８０年・中日。パ・リーグは開幕１０戦１０敗が３例あり５５年・トンボ、６１年・阪急、０２年・ロッテ。また、これまでの球団最速２桁借金は９５年で２２試合。借金９以上から優勝した前例はなし。