阪神・佐藤輝「好きじゃない」バット投げが反射的に 5・28西武戦1試合3発の衝撃

 DeNA戦の6回、国吉から右中間に場外弾を放った佐藤輝=4月9日
 西武戦の9回、この日3本目となる13号決勝3ランを放ち天を指さす佐藤輝=5月28日
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 デイリースポーツの記者が今年を振り返る企画「番記者ワイドEYE」。今回は阪神・佐藤輝明内野手(22)が怪物ぶりを発揮した5月28日・西武戦(メットライフドーム)です。阪神担当・関谷文哉記者(25)が新人ではミスター以来の1試合3本塁打をマークした衝撃を振り返ります。

  ◇  ◇

 本塁打を確信する佐藤輝のバット投げに正直、記者席で鳥肌が立っていた。メットライフドームの阪神ファンも総立ち状態で、恐るべし怪物ルーキーだと印象付けた完璧な一振り。ギャレットからマークした13号決勝3ランで、最終回に劇的なフィナーレを飾った。

 「一番、いいホームランだったんじゃないかな」と佐藤輝も今季のベストホームランに挙げた一撃は7-7の九回2死一、三塁。右腕の154キロ高め直球を完璧に射抜く。大歓声とともに舞い上がった白球は、右中間最上部のコンコースに着弾。劇的すぎる特大アーチが吸い込まれた。

 ただの決勝弾ではない。1試合3本目となる本塁打で、新人では1958年の巨人・長嶋茂雄以来63年ぶりの快挙を平然とやってのけた。相手先発の高橋から11号、12号ソロを記録しただけでも規格外ぶりを発揮していたが、トドメを刺す一撃で西武ベンチを完全に“ドン引き”させた。

 3発目のアーチで印象的だったシーンが2つある。一つは冒頭にも記載したバット投げだ。佐藤輝は大学時代からあまりバット投げを好むタイプではなく、父・博信さんにも「俺、あんまりバット投げ好きちゃうねん」と話していたそうだが、この日と横浜スタジアムで国吉(現ロッテ)から放った右中間への場外弾は「バットを投げちゃいました」。興奮のあまり、自然と手から離れていた。

 もう一つはバット投げをした後、両手の人さし指を天に突き上げたシーンだ。メジャー歴代1位の762本塁打を放ったバリー・ボンズやパドレスのタティスらも本塁打パフォーマンスで同じポーズをしている。佐藤輝は両選手が好きで、打撃映像集を何度もチェックしてきただけに、反射的に出てしまったのではないだろうか。

 開幕当初から意識しきたのは、勝負どころで試合を決める本塁打だ。「良いところでホームランを打ったらファンも喜んでもらえる。それができたら最高です」。勝利の決定的チャンスを逃さず、一発で仕留めた本塁打、バット投げ、決めポーズ…どこを取っても伝説的な瞬間だった。

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