スアレス&岩崎のダブル回またぎで矢野阪神200勝 執念采配でヤクルト止めた

9回、村上を投ゴロに斬り、ガッツポーズで喜ぶスアレス(撮影・飯室逸平)
8回、岩崎(左)の後を継いでマウンドに上がる(中央)
 8回、マウンドの弟ロベルト・スアレスを見ながら投球準備に入るアルバート・スアレス(撮影・田中太一)
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 「ヤクルト1-2阪神」(9日、神宮球場)

 阪神・矢野燿大監督(52)が執念リレーで白星をもぎとった。1点リードした直後の七回から岩崎を投入。八回も続投させると、1死から守護神・スアレスにスイッチ。回をまたいだ九回は1死満塁の大ピンチをしのいだ。禁断の“ダブル回またぎ”でつかんだ白星。ヤクルト戦の今季勝ち越しを決め、矢野監督は節目の通算200勝。まだセ・リーグの灯は消さない!

 矢野監督の執念継投が実った。スアレスが勝利のバトンを離さなかった。1点リードの九回1死満塁。絶体絶命の大ピンチで山田を二飛に斬ると、もう一段ギアを上げた。村上を159キロ内角直球で投ゴロに抑え、連敗ストップ。奇跡につながる1勝をもぎ取った。

 激闘を制した選手はマウンド上に集まり、拳を交わして勝利を分かち合う。手に汗握る一戦を祈るような思いで見守っていた指揮官は「任せるしかないんで。それが信頼関係でね。今までやってくれているんで。全てを受け入れるという気持ちで送り出しているんで」と誇らしげだった。

 絶対に負けられない戦い。勝ち越し点を奪い1点優勢と局面が変わった後、矢野監督が勝負手を打った。三塁ベンチを出て、津川球審に投手の交代を告げる。強力上位打線から始まる七回。マウンドを託したのは普段、八回の男を担うセットアッパー・岩崎だった。

 「スクランブルで、あの(七回からの)3回をどういくかというのを考えていたんで」

 山田、村上と2者連続三振に斬るなど三者凡退に抑え、今季初のイニングまたぎで八回もマウンドへ。先頭のオスナを二ゴロに抑えたところで「決めていたんで」と予定通りスアレスにスイッチ。鉄壁クローザーを今季初めて八回から登板させ、首位・ヤクルトの連勝を「7」で止めた。

 5連勝で迎えた7日・DeNA戦(横浜)では、1点リードの八回に2連投中だった岩崎を温存。代わりに救援登板した及川が逆転2ランを浴びた。そして、負の流れを断ち切ろうと決死の覚悟で臨んだ前夜は完敗。眼前の敵に優勝マジック点灯を許し、虎は自力優勝の可能性が消えた。

 だが、最後の最後まで諦めない。岩崎が「しっかり目の前の試合を取れるように」と言えば、スアレスも「どこでもいける準備をしたいと思います」と死力を尽くす覚悟だ。指揮官の執念采配に選手が応え、正念場で意地を見せつけた夜。監督通算200勝目を大逆襲のきっかけにする。

 ◆ヤクルト戦勝ち越し 阪神の今季ヤクルト戦勝敗は22試合12勝7敗3分け。3試合を残して勝ち越しを決めた。矢野監督が就任した2019年から3年連続の勝ち越し。

 ◆山田兄弟以来23年ぶり珍事 スアレス兄弟のヤクルト・兄アルバートが八回表、阪神・弟ロベルトが八回裏1死から登板。兄弟が同じ試合の同じ回で投げ合うのは、1998年7月16日・広島-中日戦(広島)の六回に山田勉(広島=兄)、山田洋(中日=弟)が投げて以来、23年ぶり。

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