阪神・大山 V2ラン!主将会心の一撃で前夜大敗憂さ晴らし 巨人と2・5差首位固め
「阪神5-3ヤクルト」(8日、甲子園球場)
主将の魂がスタンドを揺らした。阪神・大山悠輔内野手(26)が同点の六回2死一塁から、左中間に決勝の16号2ラン。サヨナラ弾を放った4日・巨人戦以来となる3試合ぶりの一撃で、大敗を喫した前夜の憂さを晴らした。2位・巨人とのゲーム差は2・5。前だけを見て突き進む。
悩み、苦しんでいた大山の姿はもうない。会心のフルスイングで決勝の16号2ランを放ち、甲子園の虎党を歓喜の渦に巻き込んだ。9月に入り、勝利した4試合全てでお立ち台に立っている“秋男”。この日もマイクを持ってファンに誓った。
「一戦一戦、頑張ります!応援よろしくおねがいします」
不振から抜け出し、復活ロードをまい進する。3-3の六回2死一塁。代わったばかりの2番手・大下のスライダーを迷いなく振り抜き、左中間席に突き刺した。「打つだけだと思ったので、思い切っていきました」。悠然とダイヤモンドを一周し、沸きに沸く一塁ベンチに向かった。
8月の月間打率は・196。暗いトンネルから抜け出せず、4番をはく奪された。しかし、もともと好きな9月に入ってから6試合で打率・400、2本塁打、8打点と急上昇。4日・巨人戦でサヨナラ弾をマークするなど、勝負強さも取り戻している。
矢野監督も「相手にダメージを与えるような素晴らしい内容の本塁打」とこの日の一発を称賛。そして「俺もチームメートもファンも『やっぱり4番は大山なんだな』と言われるような。4番っていうのは結果も求められてしまうから。そこは本人が奪い取る場所だと思います」と6番・大山の背中を押した。
この日を含めて9月に挙げた勝利は全て逆転勝ち。8戦連続で先制点を許す劣勢の展開は続くが、全員一丸野球で苦境をはね返している。2位・巨人とのゲーム差は2・5に広がった。矢野野球を体現する主将が先頭に立ち、チームを支える。
「最後まで何があっても諦めないという思いがいい方向に向いていると思うので。この先いろんな試合が続くと思うんですけど、その気持ちは忘れちゃいけないなと思います」
プロ入り以来、9月の月間通算成績は97試合で打率・296、23本塁打、70打点。虎には勝負の秋に頼りになる男がいる。残り37試合。悲願のリーグ優勝に向かって突き進む。