「阪神６－６巨人」（５日、甲子園球場）

　れにちゃんの目の前で勇姿を見せられなかった。２試合連続で先発起用された阪神・佐藤輝だったが、２打数無安打２三振。３３打席連続無安打となかなか快音が聞こえてこない。

　３点を追う二回１死一塁の第１打席。気合を入れて打席へと向かった。カウント２－２からの５球目、メルセデスが投じた外角ワンバウンドのカーブに誘われ、バットは空を切らされた。

　試合前時点でメルセデスとは５打数３安打、打率・６００と相性は良かった。次打席こそは結果を出したいところだったが…。３点を追う四回２死三塁の絶好機で迎えた第２打席。フルカウントから、最後は内角低めギリギリに決まった直球をボールだと自信を持って見逃したが、判定はストライクで見逃し三振。打席でしばらく動けなかった。

　始球式を終えた高城からは「本当に佐藤選手と同じ空気を今、吸っているんだ」と感激の声が聞かれたが、右翼から姿を見守った佐藤輝も同じ気持ちだったに違いない。だが六回の守備から交代。応援を力に変えることはできなかった。

　１２試合安打なしとなった佐藤輝。「ちょっとすぐ良くなるという感じが見えないので代えました」と明かした矢野監督は、今後の起用法について「分からない」と言葉を濁した。苦しい状況は続くが、己の力を信じて必ずどん底からはい上がるしかない。