阪神1失点での敗戦「西勇、梅野のバッテリーなら防げた可能性が…」西山秀二氏が分析

 6回、菊池涼に先制適時打を許す西勇(撮影・田中太一)
 6回、先制を許し、肩を落とす西勇(撮影・飯室逸平)
 5回、グータッチを交わす西勇(撮影・飯室逸平)
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 「広島1-0阪神」(30日、マツダスタジアム)

 阪神が1点に泣く形で、今季初めての敗戦となった。その1点は「西勇、梅野のバッテリーなら防げた可能性がある」とするのが、デイリースポーツ評論家・西山秀二氏だ。そこに要求されるのは、非常に高いレベルでの慎重さだという。

  ◇  ◇

 7回1失点。投球内容も、結果も文句のつけようがない、西勇のピッチングだった。しかし、試合はその1点で負けた。

 素晴らしいピッチングではあったが、それができる西勇だからこそ、この1点は防ぐことができたかも知れない。

 失点の場面は、1死二塁から、菊池涼の左前タイムリーだった。そのボールは、やや高めに浮いたシュート。これを捉えられたのだが、そこからいくつかの“あや”が見えて来る。

 まず、シュートという球種は、例えば鈴木誠やクロンら、大柄な選手に対しては、実は高めの方が効果がある。低めだと、体が大きい分、ボールをすくい上げる距離を取れるからだ。

 逆に菊池涼の様な打者には、低めの方が、食い込んで詰まらせる可能性が高い。

 そして初回、菊池涼はまさにその低めシュートで完全に詰まらされ、ぼてぼての三塁線内野安打となった。結果はヒットだが、これほど詰まると、プロとして恥ずかしい思いもあり、打者には強烈なイメージとして残る。

 だから2打席目は外の直球に空振り三振だった。

 3打席目。初球のシュートを捉えられた。高低で言えば、高め。これは詰まっても内野の頭を越える可能性が生まれる。つまり、打者の体格やタイプを見極めたシュートの高低を間違えた。

 そして、せっかく1打席目に強烈な悪い印象を与えた内角シュートであるなら、3打席目もそこを意識する可能性は十分ある。まずは外へのボールになる直球あたりで探りを入れた方がよかった。

 梅野くらいになれば、その1球で菊池涼がどの球種に意識を置いているか、感じることはできただろう。1点勝負の試合展開だけに、慎重過ぎるくらいでもよかった。

 とはいえ、体格に応じた変化球の高さ、1打席目から導く勝負どころの配球、などは相当に高いレベルの話で、西勇-梅野のバッテリーだからこそ、こういう考え方もあると紹介したくなった。総体として素晴らしい投球だったことは、強調しておきたい。

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