ロサリオ看板弾2発!予習バッチリ 菅野攻略は「失投よりシンプルに来た球を打つ」

 阪神は29日、開幕戦の舞台となる東京ドームで全体練習を行った。新外国人のウィリン・ロサリオ内野手(29)=前韓国ハンファ=は、フリー打撃で左中間の看板に2発当てるなど「打者にとってはいい球場」と敵地に好感触。金本知憲監督(49)は期待を寄せる新助っ人を4番で使い続ける方針を改めて明言した。

 驚いたようにロサリオの体が固まった。明らかにこすった、捉えきれていないミスショットが右翼席に飛び込んでいった。思わずケージ後ろで見守る片岡ヘッド兼打撃コーチと目を合わせ、ニヤリと笑った助っ人。「練習だけだけど、打者にとっていい球場だと思う」と言う。

 左中間、右中間の膨らみが少なく、甲子園と比較しても本塁打が出やすい東京ドーム。フリー打撃ではミスショットの打球がスタンドイン。完璧に捉えた打球は、左中間席上部にある「一番搾り」と「セブン-イレブン」の看板にぶち当てた。

 左右の打撃投手にあえてスライダーを投げるよう注文し、自分で考えながら最終調整を行った助っ人。練習前にはミーティングに参加し、菅野や巨人投手陣の映像と球種、特徴などをチェックした。

 日本球界屈指の好投手と初陣で激突することになるが「失投を捉えるというよりも、シンプルに来た球を打つことがいいんじゃないかと思っている」と照準を据えた。レベルが高い投手とはいえ、ロサリオもメジャーで71発、韓国で2年連続打率3割、30本塁打、100打点をクリアしただけのスイングスピードがある。

 特に狭い東京ドームが舞台となるだけに「甲子園と違って振らなくてもフェンスを越えるから。力みが抜けるよね。そういう意味ではいいんじゃないかな」と片岡ヘッド兼打撃コーチは明かす。シンプルに自然体で-。菅野攻略のイメージもしっかりと描けたことから「準備はできたので、気持ちの高ぶりもない」と言い切る。

 打撃練習を見守った金本監督は「(状態は)どうだろう、いいんじゃないかな」と目を細めた。「2カ月、1割台やったら、そら、気分転換で3番打たせたりとかあるかも分からんけど、基本的には我慢して4番というのは変わりないですね」と改めて方針を明かす。

 待望の4番打者を据えて迎える開幕。ロサリオが打つか、打たないか-。そこに13年ぶりのリーグ制覇、そして33年ぶりの日本一がかかっている。

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