高山、一発回答!先頭弾&猛打ショー 前日金本監督からメス

 「オープン戦、阪神6-5西武」(11日、甲子園球場)

 阪神・高山俊外野手(23)が“一発回答”の豪快弾を放った。初回、先頭で右翼席に強烈なライナーで飛び込むオープン戦1号。10日の全体練習で金本知憲監督(48)から直接受けた打撃指導に、3安打1打点と結果で応えた。「3割20発」を目標に掲げる2年目のシーズン開幕へ、さらに前進を続ける。

 強烈な弾丸ライナーが、高山の無限大の可能性を感じさせる。初回、打席に立つと先発・高橋光を鷹(たか)のような鋭い目でにらみつけた。初球はファウルとなり、続く2球目。真ん中に入ってきた142キロ直球を、鮮やかなフルスイングで捉えた。

 「良かったですね」

 打球は右中間スタンドへ一直線。7日・ヤクルト戦(甲子園)以来、10打席ぶりの安打が豪快なホームラン。体の開きが抑えられず、調子を落としていたが「素晴らしい当たり」と片岡打撃コーチも高評価した。

 六回1死は左腕・ガルセスから左前打を放ち、すかさず二盗に成功。八回1死一塁では、3番手・シュリッターの真っすぐを右前へはじき返した。「追い込まれてからしっかり打てたので良かったです」。オープン戦とWBC強化試合の計8試合で34打数11安打、打率・324。「アニキ塾」をヒントに、さらなる高みへと進んでいる。

 10日、甲子園で行われた全体練習。フリー打撃時に金本監督のメスが入った。ステップ時に右肩を意識的に捕手方向へ入れ、体の開きを抑える。一言、一言を体全体で感じ、自分を見つめ直した。「それだけではないですけど、それもあると思いますね」。感謝の気持ちを3安打という最高の結果で示した。もっと、上にいける。

 金本監督は、本塁打について「欲を言えばもうボール一つ分、前かな」と厳しい言葉で成長を促した。「彼にしてみれば、今までになくタイミングを早くとっていいポイントで打った。欲を言えば、もっとレベルアップしてほしい」。目指すは「3割、20本塁打」。地道な日々を積み重ね、努力し続けることしか今はできない。

 「固め打ちは高山の良さだけど、同時にもろさも感じる。本塁打の後の2三振は『なんでなの?』って…」

 片岡打撃コーチも厳しい言葉で背中を押した。金本監督は「2番の方が好きなんだけど」と、攻撃的な2番打者としての可能性にも期待を寄せる。23歳の潜在能力は計り知れない。だから、後ろを振り向かず前へ進もう。

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