高山に「糸井化指令」 盗塁数アップへ秋本氏から新走法伝授

 阪神・高山俊外野手(23)が4日、今秋季キャンプに臨時コーチとして招へいされた元陸上選手で、主に400メートル障害で活躍し、200メートル障害のアジア最高記録を持つ秋本真吾氏(34)から「糸井化指令」を出された。同コーチは13年に糸井の指導を行い、盗塁に生きる新走法を伝授。背番号9は今季53盗塁でタイトルを獲得した“超人”にならい、脚力向上に励む。

 西日が差し込むサブグラウンドで、高山が何度も何度も短距離ダッシュを繰り返す。横で熱い視線を送るのは、男子200メートル障害のアジア最高記録保持者の秋本氏だ。実戦の盗塁を想定し、「初速」をテーマに一歩目を極める。今季、35歳で盗塁王に輝いた“超人”と同じトレーニング方法だった。

 球団から「走り」の基本の見直しを託された秋本氏。現在はスペシャリストとしての経験を生かし、Jリーグなど各スポーツ選手の指導に当たっている。13年にはオリックスを担当し、当時移籍1年目の糸井と出会った。

 「一度体に染みこませて、それが抜けないところまで突き詰めていたと思います。(糸井に)教えた後の試合で、すぐ盗塁を決めたのが印象的でした」

 今季35歳ながら、両リーグトップの53盗塁を記録したのは記憶に新しい。その基礎をつくったのが「秋本流走法」だった。一歩目のスタートは大きく踏み出すのではなく、体の近くに下ろす感覚。地面にはかかとから着地せず、常につま先からを意識していく。

 「体の近くに足を着地させた方が、力の入り方がより効率的になる。遠くに踏み出すとロスが大きく、肉離れなど故障のリスクも高くなってしまいます。(高山も)このトレーニングを続ければ、シーズンを通して(盗塁の)数字も上がってくると思います。伸びしろはあると思います」

 3日の夜に行われた講習会は1時間。パ・リーグ2位の41盗塁を決めた日本ハム・西川、マーリンズ・イチローらの盗塁の映像をスローモーションで鑑賞した。この日の実技練習を含め、高山は「変わったと思います」と実感。「生かしていった方がいいと思います」と前向きだった。

 今季はバットマンとして高い技術を見せつけたが、5盗塁には納得していない。「北條より少ない(6盗塁)のは正直、悔しいですね。あと何日かで自分のものにしたいです」。新走法に可能性を感じている。秋本氏の助言も胸に、飛躍の2年目へ力強く走り出す。

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