ドラ5糸原、虎のミスターになる 多摩川の「長嶋ロード」走り込んで成長

 阪神からドラフト5位指名された糸原健斗内野手(23)=JX-ENEOS=が26日、神奈川県川崎市内の同野球部クラブハウスで指名あいさつを受けた。多摩川のほとりにある練習場の対岸には、巨人V9メンバーらが汗を流した聖地・多摩川グラウンドがある。糸原らが取り組む「12キロ走」のコースは、長嶋茂雄らが走った道と同じ。糸原も「虎のミスター」を目指し、プロの道を走り始める。

 地獄のメニューが繰り広げられていた場所は“聖地”だった。今春の都市対抗野球大会の予選で敗れ、部員全員に課された朝6時スタートの12キロ走。2週間、毎日欠かさず多摩川の土手を死に物狂いで走った。糸原は「きつかったです。もう必死でした」と振り返る。その道は長嶋をはじめ、巨人栄光の時代を築いたV9戦士も走っていた。

 多摩川のほとりに位置するJX-ENEOS野球部の練習グラウンド。川を挟み、対岸にあるのが85年まで巨人の2軍本拠地だった「巨人軍多摩川グラウンド」。ミスタープロ野球・長嶋茂雄(現巨人終身名誉監督)も現役時代は鍛錬の場として汗を流し、引退後は川沿いの土手を散歩するなど、多くの時間を過ごしてきた特別な場所だ。

 そんな聖地を横目に走るENEOSの名物メニュー。多摩川に架かる二子橋と丸子橋を結ぶ全長12キロのコースを、1時間以内で完走する。「やばかったですね…」。したたり落ちる汗を拭いながら一歩一歩進んだ結果、下半身強化につながったのは言うまでもない。

 「社会人2年間の一発勝負で培った勝負強さが自分の持ち味です。チャンスは大好きですね。(母校・明大の1学年後輩、高山の存在は)刺激になりますし、負けたくないという気持ちもあります」

 明大4年時にプロの厚い壁にはね返され、もう一度挑戦しようと入部した同野球部。ひたむきに走った「長嶋ロード」が糸原を成長させた。佐野統括スカウトらから指名あいさつを受けたこの日、晴れやかな表情でプロへの階段を一段上った。

 目指すは「チャンスの場面で打っているイメージ」と話す金本監督。将来は「ミスター」と呼ばれる猛虎戦士になる。巨人軍の聖地を望む多摩川の土手は、虎の聖地・甲子園へと続いている。

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