ドラ2小野、鉄腕や!2日で248球 1失点完投で神宮切符

 「明治神宮大会東北地区代表決定戦・決勝、富士大7-1仙台大」(23日、仙台市民球場)

 阪神からドラフト2位指名を受けた小野泰己投手(22)=富士大=が23日、仙台市民球場で行われた明治神宮大会東北地区代表決定戦の決勝・仙台大戦に前日の1回戦・福島大戦に続いて先発し、142球の熱投で完投勝利を挙げた。4安打1失点10三振の内容で、2日間で計248球を投げる鉄腕ぶりを披露。チームを2年ぶり3度目となる明治神宮大会出場に導き、今決定戦のMVPと優秀投手賞に輝いた。

 虎のドラフト2位右腕は連投OKの鉄腕だ。7回106球を投げた22日・福島大戦に続き、142球の熱投で1失点完投。2日で計248球を投じた小野は「そんなに疲れもなく、いつもどおりに投げられた。延長になってもいけました」と平然と言ってのけた。

 「体に若干張りがある方がいい投球ができる」と自己分析。「先発を言われたら、最後まで投げ切ることを考えている。自分の中で途中で交代ということは考えていなかった」と連投も完投も小野にとっては当然だった。

 「投げるのは好き」という右腕だが、連投の礎は週5日ブルペン入りする富士大での4年間で築かれた。4日は各50球、1日は100球と毎週300球投げて、投げるスタミナを養った。納得できなければ140~150球投げ込んだ。リーグ戦では延長戦突入後に150キロ台を連発した実績がある。

 連投となったこの日も184センチ、75キロの細身から力みのない、しなやかなフォームで最速149キロをマーク。今秋から多投する100キロ前後のカーブとの緩急差で凡打の山を築いた。「フォームが悪いと少しの球数でも疲れる。疲れないということはいいフォームで投げられている」と納得の表情だ。

 登板前の準備も怠らなかった。今大会中のチームは試合会場の仙台市内に宿泊せず、岩手県花巻市から片道2時間かけて車で移動。前夜は寮で日本シリーズのテレビ中継を見ながら1時間以上かけて、入念にストレッチをして体をケアした。

 その画面に映っていたのが日本ハム・大谷だった。「同級生の投手が大舞台で先発している。来年、自分もプロに行く身としては、そこで投げたいという気持ちはある」と、自身の大一番を前に同世代のプロでの活躍が大いなる刺激となった。

 この日唯一の失点は一回1死から連打と犠飛で献上したもの。「立ち上がりをもっと意識してやりたい」と反省も忘れない。「この秋にやってきたことを神宮で出したい。もちろん優勝を目指したい」と力を込める。そのためには「全然いけます」と大学最後の大会でも連投をいとわない。全国の強豪相手に即戦力候補にたがわぬ力を見せつける。

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