高山勝負強ぇ~3打点 球団新人6位39打点

 「ヤクルト0-8阪神」(5日、神宮球場)

 真夏の神宮も、やはり阪神・高山にとっては庭だった。先発・藤浪を強烈に援護する6月10日・日本ハム戦(札幌ドーム)以来、自身3度目の1試合3打点。「晋太郎に勝ちがついて良かったです」。1学年下の後輩に約2カ月ぶりの白星を届ける、価値ある2本のヒットだった。

 2-0で迎えた五回1死三塁の場面。3月31日にプロ初本塁打を放ったデイビーズから、右前適時打を放った。「いいイメージでいきました」と21打席ぶりにHランプをともし、中押しに成功。八回2死満塁は、5番手・成瀬の外角直球を中前へ運ぶ2点適時打。ポイントゲッターとしての働きで、チームに流れを呼び込んだ。

 「調子自体が悪いわけではなかったんですけど、結果は出ていなかったので」

 この日の試合前練習中、金本監督に呼び止められた。「右肩が入り過ぎてるんじゃないか?」。7月31日・中日戦(甲子園)以来、当たりが止まっていたバットを即修正した。大事にしている「ポイントを前で捉える」ことは継続中。8月2日・DeNA戦(横浜)から1軍に合流しているオマリー打撃コーチ補佐は、その変化を称賛した。

 「ポイント、前ね。ナイスバッティング。3打点いいね!」

 打率・204と苦しんだ6月の交流戦。高山は、あらゆる角度から復調を図っていた。その一つが、オマリーコーチとのティー打撃。ボールを投げる位置を普段より前に設定し、それを体の前で振り抜く。片岡打撃コーチも加わり、反復練習を繰り返していた。

 オマリーコーチが2軍に帯同していた7月、背番号9のルーキーは月間打率・366を記録。窮屈そうに体の近くで打つ打撃は少しずつ減り、徐々に状態は上がっていった。

 「ここで結果が出ていますし、持続していきたいと思います」

 神宮では34打数12安打、打率・353。東京六大学リーグで131安打を積み上げ、通算安打記録を塗り替えた思い出のグラウンド。汗と涙の青春が詰まった神宮から、高山の再進撃が始まる。

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