原口、超覚醒 プロ1号が値千金3ラン

 「中日0-9阪神」(4日、ナゴヤドーム)

 阪神が先発野手全員安打の17安打で9点を奪って大勝。四回、2点を先制した後、原口文仁捕手(24)がプロ1号となる3ランを左翼席へ運び、勝負の流れを決定付けた。七回には左前適時打も放って2安打4打点。守っても好リードで横山のプロ初勝利、完封リレーを支えた。

 思わず飛び跳ねた。バットを振り抜くと、打球は瞬く間に左翼スタンドへ。原口は夢見心地で、1軍で初めてダイヤモンドを1周した。背番号94のプロ初本塁打に、ナゴヤドームの興奮は収まらない。次打者・横山の打席を迎えても、しばらく場内はざわついていた。

 「うれしかった。追い込まれるまではシュートをファウルでもOKだと考えて、フェアゾーンに入れないように気をつけていました。集中して、甘いボールを逃さないように打つことができました」

 待ちわびた瞬間だ。四回、2点を先制してなお、1死一、二塁。イケイケの流れでも、打席では捕手らしく、落ち着いていた。吉見のシュートをファウルで逃げ、フォークをフルスイング。狙い通りの一発だったが、これだけでは終わらない。

 8点リードの七回2死一、三塁の場面では、詰まりながらも左前へダメ押し適時打。マスクをかぶっても先発・横山を好リードだ。大きなジェスチャーで鼓舞し「うまく緩急を使ってプラン通りに配球できました」と振り返った。

 金本監督も勝負強さを手放しでたたえた。「原口の3ランは大きかったよね」。続けて「いくら甘い球だったとはいえ、得点圏での2ストライク後のね。それは価値がある。いくら甘い球とはいえ」と繰り返しうなった。

 勝負の世界で生きる覚悟がある。前日3日、先発藤浪が荒木へ与えた死球が発端となり、次の打席で報復と取られるような死球を受けた。その直後は激高し、ジョーダンをにらみつけたが、一夜明けて、普段の冷静さを取り戻していた。

 「死球?全然大丈夫です。そういう世界なので。お互い様です」

 27日に支配下選手に復帰してから、ちょうど1週間。プロ初出場、初安打、そしてプロ初アーチ。これまで、度重なる故障に苦しんだが、想像を超える速さで、世界を変えている。原口は「充実して1日1日、過ごせています」と実感を込めた。キャンプから横一線でスタートした正捕手争い。大外から一気にまくりにかかる。

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